2001年/日
監督:宮崎駿
音楽:久石譲
・親の仕事の都合により、慣れ親しんだ土地から引っ越すことになってしまった荻野千尋。
子どもは親に従うしかないものの、車の後部座席で憮然と寝転んでおり、何やら不満を抱えていそうだった。
道中、道に迷ってしまい、道なき道を進ませた先に、少し開けた場所に出た。
どこか懐かしい景色に惹かれ、両親と千尋は車を降りて散策に出かけ、怪しいトンネルをくぐってしまう。
・トンネルの向こうは‥‥何やら異国風の看板がいたるところに掲げられている、いわば『繁華街』。
各店には美味しそうな食事が並んでおり、両親は、店主の了解も無しにバクバクと勝手に食べてしまう。
千尋は食べなかったが、物珍しい繁華街を散策。すると、ハクという謎めいた少年に出会った。
ハクは千尋を見るなり血相を変え、すぐにこの場所から去るように告げ、なんだか怖くなった千尋が両親の元へ行くと‥‥両親は豚に姿を変えられており、千尋は驚愕する。
『刻』が変わり、今まで無人だった店に店主が湧きだすように現れ、豚と化した両親は鞭を打たれてしまうのであった。
・何が起きたのか分からず困惑する千尋に、ハクは助け舟を出してくれた。
この世界で生きていくためには仕事をしないといけないと告げ、湯屋で働くリンを仲介として、湯屋の主人(管理人かな?)である湯婆婆と面会することになる。
最初は門前払いだった湯婆婆だが、千尋は負けずに「働かせて」と大声で連呼し、その大声により、湯婆婆が溺愛する坊が癇癪を起こしてしまったため、千尋を黙らせるために渋々湯屋で働くことを了承してしまう。
ただ、萩野千尋という名前は湯屋で働くにいは贅沢だからと、「千」と名乗るよう命じ、名前を封じられてしまう。
その日の夜は、湯屋の一員となったために仕事着に着替えた千だが。布団に入ったが眠れるはずもなかった。
・翌日、千はハクと会い(今のところ、千が頼れるのはハクだけ)豚に姿を変えられた両親に会いに行った。
まるで、家畜のように養豚場に居る両親。人間だった頃の記憶は無いのか、千を見ても何の反応も無かった。
千は涙を流し、必ず両親を助け出すと誓うのであった。
豚に姿を変えられていない千は、ここに来る前の記憶が全て残っているのか‥‥と思えば、実はそうではなかった。
湯屋で働く前の服を返してもらい、ポケットに入れていたカードの名前の『萩野千尋』を見ても、しばらくピンとはこなかった。
しかし‥‥それが自分の名前だった事を思い出す(知らん間に記憶消されるの怖いな)。
自分の名前を忘れるということは、すなわち湯婆婆に支配されることを意味していた。
現にハクは元の名前を忘れてしまったため、湯婆婆に支配され、この世界から抜け出せずにいるのだという。
この世界の住民って、誰もが千尋みたいに、もともとの住人ってわけじゃないのかな?
でも、リンはこの世界に慣れてる感じだけど‥‥ようわからん。
・湯屋で仕事をする千尋。失敗を繰り返しながらも、目の前の仕事と誠実に向き合い、なんとかこなしていく。
桶の水を捨てようとした時、雨の中、面をかぶった変な生き物がずぶ濡れで突っ立っているのを見つける。
部屋に招き入れようとするが、入ってくる気配はない。
仕事中の千は「ここ開けときますね」と、要は「入りたいなら入ってきて良いですよ」と、その場から立ち去ってしまう。
・どうやらこの湯屋は、神様が疲れを癒す『銭湯』の役割を担っているようである。八百万の神がうじゃうじゃ引き締めき合っている様は観ていて面白く、海外では理解不能らしいが、それが不思議で神秘で魅力的らしい(神様は“一人”だからね)。
考えさせられたのは、川の神様。
「くされ神」としてやってきて、誰もが疎ましく思っていた。湯婆婆は新人の千に接客を押し付け、自分は傍観者になろうとする。
千は文句も言わず、誠実に接客する中で、「くされ神」の背に棘が刺さっていることに気づいた。
それをひっこ抜くと‥‥自転車や洗濯機などがゾロゾロ。
「くされ神」は、実は河の神。人間の手によって不法投棄され、水流がせき止められてしまったため、ヘドロが蓄積し汚れてしまった川だった。
河の神をここまで汚らしくしてしまったのは、人間だった。
「くされ神」は礼として、千に団子を手渡して去っていった。
そして、湯屋にも大量の砂金を残していったのである。湯婆婆は、客を丁重にもてなした千を褒め称えたのであった。
・翌朝、なにやら騒々しい湯屋。ある客を皆総出で接客しているという。
砂金をバラまきながら酒を飲むその姿は、パッと見でもヤバい生き物で、到底『神』には見えないが、金を生み出してバラまいてくれるのだる。それも無限に──。
欲に溺れた湯屋の面々は、いかにも怪しい風体をした化け物(カオナシ)に疑問を持つこともなく、盲目的に豪華な料理を振る舞い、手から無限に湧き出る砂金に目を輝かせた。
しかし‥‥湯屋の一人が飲み込まれた瞬間、状況が一変する。
千と千尋の神隠し
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