シンデレラ

1952年/米


・昔、あるところにシンデレラという名の少女がいた。母親は既に他界している。
父親は再婚したのだが、その女性には2人の連れ子がいた。
だが再婚した矢先、今度は自分が亡くなってしまう。
跡を継ぐことになった継母は本性を現し、屋敷も財産も独占し、シンデレラを召使のように利用した。
なんで‥‥父親はこの女性と結婚したんだろうか?彼女のどこに惹かれたのか意味不明である。
とても理不尽な扱いだが、シンデレラは反抗することはせず、すべてを受け入れていた。
普通だったら病んでしまうが、シンデレラには家に住まう動物たち(鳥やネズミ)と仲良しで、特にネズミのジャックとは親友の仲だった。

・ある日、国の行く末を憂える国王がいた。可愛い孫が欲しと願っている国王。しかし、息子(王子)は適齢期を過ぎてもなかなか結婚しようとしない。
そんな王子を見かねた国王は、見合いを兼ねた舞踏会を思いつき、早速企画。
王子と同年代の女性は全員招待され、当然その招待状はシンデレラ宅にも届いた。
継母は、我が子をぜひに!と張り切りだす。娘たちも王子の妃になるため、何着ていこうかとテンション爆上がり。
シンデレラは、「私にも資格はありますよね?」と継母に頼んだ。
すると継母は、家の仕事を完ぺきにこなし、かつ舞踏会に着ていくドレスがあるなら、連れてってあげると約束してくれた。
娘たちは、シンデレラが舞踏会に行くことを快く思っていない様子で、継母に「どうしてあんなことを言ったの?」と突っかかる。
しかし継母は、シンデレラに次々に仕事を命じることで、ドレスを仕立てる時間を失くしてやればいいと嘲笑ったのだった。
事実、いつもの倍以上働かされたシンデレラは、時間に追われて結局ドレスを仕立てることができず、落胆する。
しかし‥‥なんと友達の動物たちが、家じゅうから材料をかき集め、流行りのドレスに仕立ててくれたのだった。
シンデレラは、亡くなった継母が遺してくれたドレスが時代遅れだと嘆いていたが、そんなに変なドレスじゃなかったし、シンデレラなら何着ても似合うと思う。

舞踏会の夜。動物たちが作ってくれたドレスに感動するシンデレラ。
小躍りしながら「私も連れてって」と頼むシンデレラに、継母と娘2人はいやな顔を見せる。
しかし継母は、シンデレラのドレスの装飾品が娘のものと気づき、わざと娘に見せて気づかせ‥‥ドレスをびりびりに破かせた。
さすがにこんな仕打ちを受けたらキレてしまいそうだが、シンデレラは言い返すことなく、ただただ泣くのであった。
・自分の不幸を嘆くシンデレラに、妖精のゴッドマザーが現れる。
歌いながら魔法をかけるゴッドマザー。ネズミは馬に‥‥かぼちゃは馬車に‥‥ドレスは美しい純白へと変身。
余談だが、原作ではゴッドマザーが魔法で変化させたのは『馬・馬車・御者・ドレス』で、靴は『渡した』となっており、ゴッドマザーの私物。そのために12時を過ぎても消えなかったとされている。

遅れて舞踏会にやってきたシンデレラ。さきほどまであくびをしていた王子も、シンデレラの美しさに一目ぼれ。
周りの女性たちも、シンデレラの美しさに見惚れ、きっとどこかのお姫様だと思っていた。
継母たちも、「どこかで見たような‥‥」と首をかしげている。
おいおい毎日見ているだろうが!と突っ込みを入れたくなるが、原作では、シンデレラは薄汚れた日の当たらぬ地下の納屋にいて、顔は常時灰と煤で顔が汚れていたとされる(シンデレラ=灰かぶり)
そこまでこき使う継母と義娘がひどすぎる。
・シンデレラと王子は夢中で踊り、時がすぎるのも忘れるほどだった。
12時の鐘が鳴り、慌てて城を飛び出すシンデレラ。
鐘が鳴った時点で既に12時だと思うが‥‥まあいいか💦『12時まで』だから12時1分未満ならセーフか?
階段を駆け下りる途中、靴が脱げてしまう(転ばなくてよかったね)。慌てて取りに戻ろうとするが、王子が後を追ってきた為、諦めてしまう。
・王子は、一緒にダンスを踊った女性を探すため、ガラスの靴がぴったり合う女性を探すよう命じた。
家来はガラスの靴を手にし、国中の娘に履かせているが、サイズが合う娘は見つからない。
国中の女性が履けない靴。よほど小さいって一体‥‥。原作だと、20〜21pだそう。
でも仮に‥‥シンデレラに順番が回ってくる前に履ける女性がいたら、果たして王子はその娘と結婚するのだろうか?所詮、靴さえ合えば良いんだろうか?
本気で結婚したいなら、面倒でも王子も同行するべきだと思うけど。
・シンデレラの屋敷にも、家来が到着。
2人の娘は我先にと靴を試すが、履くことができない。
シンデレラはどうしているかというと‥‥何気なしに口ずんだ歌を継母が聞いており、その歌声によって、シンデレラこそが王子が探している娘だと気づいてしまい、ショックを受けるのだった。
ただ、要するに靴を履かせなければいいじゃんと‥‥シンデレラを部屋に閉じ込めて鍵をかけてしまうのであった。
もしここでシンデレラが飛ばされて、他の人に靴が合った場合、王子はどうするんだろう。結婚するのか?靴さえ合えば良いのか?
仮に、誰にも靴が合わなかった場合、一からやり直すのだろうか?

原作はかなり残酷な話で、靴が合わない娘たちは、踵やつま先を斬ってでも靴を履こうとする(執念がすご過ぎ)。
靴から血が滴っているのがバレて、結局『靴は合わなかった』となり、踵やつま先を失った娘たちは歩行障害に悩まされることとなる。
それだけでも気の毒だが、そこへ鳥がやってきて継母と娘の目を潰してしまい、盲目かつ歩行障害で日常生活が困難になるほどの報復を受けることになってしまうのである。
確かにシンデレラは下働きをさせられてはいたが、身体的虐待は一切していない。なので、そこまでの仕打ちを受けるほどの罪を犯したのだろうか‥‥とも思う。

なお『シンデレラ』には後日談があり、その中でもアナスタシアの恋物語はとても興味深い。
母親は、娘2人を上流階級の男に嫁がせようと画策するが、アナスタシアが好きになったのはパン屋の男性だった。
それを知った継母は別れるよう指示し、アナスタシアは言われるまま男の元を去るが、男のことが忘れられなかった。
するとシンデレラはアナスタシアに、「好きなら好きなままでいるように」「いつか幸せになれる」と背中を押すのである。
あれだけひどい目に遭わされたのに、恨むことなく、アナスタシアのために協力できるシンデレラがすてきである。
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