SF/ボディースナッチャー

1978年/米
監督:フィリップ・カウフマン
原作:ジャック・フィニィ
主演:ドナルド・サザーランド/ジェフ・ゴールドブラム揺れるハート/ブルック・アダムス 他


眠ってはいけない。眠れば、貴方の体は乗っ取られる──。

宇宙の辺境にある小さな不気味な惑星から、植物の胞子が地球に向けて飛来した。
胞子は地球の葉や土に着床し、またたく間に花を咲かせた。
その花は、大変かぐわしく美しく、女子供は摘んで持ち帰った。
エリザベスも、花の香りに足を止め、花を摘んで自宅の寝室に生け、その部屋で彼(ジェフリー)と一夜を共にした。

翌朝。
ジェフリーの様子がいつもと違っていた。
外見は彼であるのに──何かが違う。雰囲気?佇まい?人格?‥‥理由は分からないが、とにかく彼とは“別人”なのである。
エリザベスは、衛生局のマシューに打ち明けるが、そんな事はあり得ないと言ってなだめられてしまった。
しかしマシューは、エリザベスのように、「妻だけど妻じゃない」「夫だけど何かが違う」と喚く人々に遭遇するのである。
エリザベスは怯えながら呟いた。「昨日までの街が、今日は違っているの。全く別の街になっているわ。理由は分からない。でも‥‥何かがおかしいのよ」

一方、ジャック(ジェフ様黒ハート)も、エリザベスほどではないが、奇妙な街の違和感を感じていた。
そんな折、妻より、自分そっくりの──植物で作られた“人の形をした物体”を見せられ驚愕する。
ジェフは、大急ぎで親友のマシューを呼びつけ、マシューはその“物体”を直接目にする事によって、エリザベスの奇妙な発言が、ここに結びついているのではないかと悟る。
マシューは、エリザベスがジェフリーに口封じされることを恐れ、彼女を探しに──そこで彼が見た物は、ジャック同様、エリザベスそっくりの、植物でできた“物体”であった。

マシューらは結論を導き出す。
その物体は、精巧にできた人間のコピー体で、街の人は、既に全てがコピー体である。
姿形も頭脳も記憶も変わりなく、ただ一つ、“感情”が存在しないだけで、本人そのものなのだと。
なるほど。だから奇妙な違和感が纏わりついていたのだ。
では、コピーされた本体はどうなるのか?恐らく‥‥痕跡を残さぬよう、コピー体に吸い込まれて消滅してしまうに違いない。
ジャックは、何故私達だけ無事なのだろう?尋ねるが‥‥
彼らに共通しているのは────眠っていないということだけだった。

この作品の恐ろしさは、眠っている間に、自分そっくりの“植物体”が作成されるということ。
植物体が完成した瞬間、植物体がその人間に成り替わり、元の体は植物体の中に吸い込まれてしまう‥‥つまりは乗っ取られる。
※ファイルの“ダウンロード”に似ている点があるかもしれません。
睡眠時間が長い者は、1日でダウンロードは完了し、植物体が完成した瞬間に元の体は消滅。
では睡眠時間が短い者は?実はダウンロードが中断されているだけで、眠れば、再びダウンロードが始まり、植物体が完成した瞬間に元の体は消滅。

要は眠らなければいいのだが、しかし眠らずにいられるわけがない為‥‥異星人から逃げたくても、逃げ道がないという絶望感が彼らを襲うのです。

1日、1日と、徐々に変わっていく街の姿。抗っても抗えない恐怖に怯える住人。
異星人が攻めてきているのに、その異星人が何処にいるかがわからない。
何度もリメイクが繰り返され、絶望を描いたホラー作品の中でも、今なお高評価される作品です。

私といえば、ジェフ様が出てきてキャーキャー言ってました。
今度の役は、美容風呂経営者の夫。自称天才と名乗るが、全く売れない作家。
蝿男を演じる前なので、まだ普通の役(?)。私は、蝿男を演じて以降の、奇抜な役が好きだるんるん

挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

De la Tromba Pavin
http://www.youtube.com/watch?v=X2oTtOJ5i1M
美容風呂で植物に聞かせていた歌

Amazing Grace
http://www.youtube.com/watch?v=V84STSWVp3g
船でさやを運ぶシーン

 

エイリアン

1979年/米
監督:リドリー・スコット
特撮:カルロ・ランバルディ
主演:シガニー・ウィーバー/ヴェロニカ・カートライト/ジョン・ハート 他


広い宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない────。
リプリー含む、7名を乗せた宇宙貨物船ノストロモ号は、任務を終えて地球に帰還する途中、未知なる異星文明からの電波をキャッチし、惑星に降り立った。
そこは不気味すぎるぐらいの星で、暗く、湿気を含んでいた。
乗組員が見たものは、宇宙船の残骸らしき物体と、化石となった人に似た異星人の姿。
どの化石も皆、胸に大穴を開けている。“何か”によって身体を喰い破られ、絶命したような最期。
恐怖で震えながらも、乗組員らは巨大な卵であふれかえった一室へとたどり着いた。
透き通った卵(エッグチェンバー)の中を覗くと、そこには動く蜘蛛のような異星生物が潜んでいる。
乗組員のケインが近づくと、蜘蛛型異星生物(フェイスハガー)は卵から孵り、ヘルメットを突き破り顔に張り付いた。
乗組員は急いでノストロモ号に帰還するが、リプリーはフェイスハガーが張り付いたままの彼を宇宙船の乗船を断固として拒否する(ごもっともたらーっ(汗))が、他の乗組員らは彼女の忠告を聞き入れずに無理やり連れ込んだ。

フェイスハガーは口から胃まで侵入し、手術を試みるもフェイスハガーの強力な酸の血液により、引きはがす事は不可能だった。
別室で対策を練り再度ケインを確認すると───フェイスハガーは剥がれていた。
フェイスハガーがどうなったのかは知らないが、とにかく無事で良かったとケインの回復を祝い、乗組員らは船内で遅めの食事をとることに。
すると突然、ケインが苦しみだした。もがき舌を突き出し、ケインの腹部からは真っ赤な鮮血が噴き出す。皮膚を喰い、肋骨を突き破って体内から現れたのは──────彼の血に染まった異星人(チェットバスター)だった。
奇怪な産声をあげ、這うように部屋から飛び出ていき、乗組員らは捕まえるのも忘れて呆然と立ち尽くしていた。

乗組員は逃げたチェットバスターを捜索するが、チェットバスターはその間に脱皮を繰り返し、強大な力を持った完全体へと変貌を遂げた────。

リプリーはノストロモ号のマザー・コンピューターに解決策を問う。
「異星人は、どうすれば殺せるの?」  「殺せない」。
「私たちは助かるの?」  「────助からない」。

電波を受信したからといって、わざわざ行かなきゃよかった。
あの電波が実は“来るな”という警告と知っていたら──。
‥‥いや、知っていたんだ。最初から。こうなることを知って‥‥私たちに仕向けた。
後半には、これが初めから計画された『ミッション』だったことがわかる。
エイリアンを生きたまま捕獲し地球に持ち帰る。
なぜこのミッションが計画されたのか?エイリアンを捕獲して、何をしようとしているのか?

真実が明かされた時、乗組員は震え上がる。

※この映画は、私が産まれる前の映画です。この作品を、私は映画館で観たかった!!
エイリアンの全身をラストまで見せないというのがこの作品の怖さ。
船内は密室なんだから、必ずどこかにいる筈‥‥でも探しても探しても見つからないというのが恐怖を一層掻き立てます。
広い船内に悲鳴が響き渡り、強大なエイリアンになす術なく乗組員は狩り殺されていく。
映画のキャッチコピーは、『広い宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない──』。
乗組員が“独り”になった時、そこではじめて訪れる真の恐怖!
暗闇の中、通路を曲がったその先に──────!。
後のホラー作品は、この作品を参考にしているといっても過言ではありません。
『エイリアン』という単語を誰もが知り、あの姿を思い浮かべ、姿は知らなくともそれが異星人という認識する。
1970年代。CGが存在しなかった時代の作品と思えない、初めての試みをぜひ観てほしいです。


アザーズ

2001年/米
監督&脚本:アレハンドロ・アメナバール
製作総指揮:トム・クルーズ
主演:ニコール・キッドマン/アラキーナ・マン/ジェームズ・ベントレー 他


この家には──誰かがいる。

グレースは、2人の子供を持つ母親。
子供は、娘のアンと、息子のニコラス。
この子供たちは、ある病を抱えていた。太陽の光を浴びることが出来ない「色素性乾皮症」である。
グレースは子供たちの身を守るため、全ての部屋に黒のカーテンを取り付けた。
部屋の全てに鍵を設置し、部屋を退出したら鍵をかけ、部屋に入る時に鍵を開ける──。
子供が勝手に部屋を出入り出来ないよう、部屋の数だけの鍵を、グレースはいつも持ち歩く。
蛍光灯や電球は避け、ろうそくのキャンドルを照明代わりに使っていた。
主人はいない。しばらく前に戦争に行ったきりで、生存の確認は無い。
たった独りで、重い病の子供を抱え、広い家の掃除をするのは不可能な為、グレースはメイドを雇うことにした。

グレースと面会したメイドら3人は、どこか陰気で暗く、まるで死人のように血色が無かった。
しかし、他に応募してきた者がいなかったこともあって、仕方なくグレースは3人を雇うことになる。

その頃から‥‥奇妙なことが起こり始めた。
家の『物』の配置が変わっていたり、部屋の鍵がかかっていなかったり──。
グレースは憤慨。もし子供が勝手に部屋を出て行ったら───!?
命に係わる問題だと、グレースはメイドを呼びつけて叱りつけるが‥‥メイドは、やっていないと言い張る。
「まったく、なんて人たちかしら?雇うんじゃなかった」とグレースは愚痴る。
すると、娘のアンがぽつりと呟いた。

「ヴィクターがやったのよ。この家に‥‥いるの」

アンは、この家で子供の幽霊に会い、その子の名前は“ヴィクター”であると、母に告げた。

「幽霊なんかいない。変なことをいうと神様が怒るわよ」
グレースはアンに謝罪するように命じたが、アンは反発する。
「神様なんかいないわよ。聖書なんか読みたくないし、なにせ退屈だもの」
するとグレースはアンを叱りつけ、お仕置きとして、聖書の一節をアンに読ませた。
このシーンは、意味深い。アンは聖書を手にしていない。つまり、『暗記』しているのである。
グレースは毎日のように子供に聖書を読ませ、自分の信仰するキリスト教を、アンとニコラスにも強要させていた。

アンが与えられているお仕置きに、みかねたメイドが「止めさせて」とグレースに頼むが、彼女は一切取り合わない。

「神様などいないといったのよ。なんて恐ろしい事を言う子かしら‥‥!」

グレースの信仰心は、常軌を逸していた。キリスト教の教えについて、少しでも“正しくない”と言おうものなら、“正しい”と認めるまで痛めつけ、信仰心が足りないと、罰として聖書の一説を読ませるのである。

グレースの常軌を逸した信仰心。
死人のような顔色をしたメイド。
まるで隔離されているかのように、外界を遮断し、音の無い暗闇の中で生活するグレース、アン、ニコラス。
ろうそくの明かりの中で揺らめく、アンとニコラスの‥‥‥‥人形のような、白い肌

この不可思議な謎の全ては、グレースが偶然見つけた1枚の写真から、徐々に解き明かされていく。

貴方たちはなぜ、ここにいるの?

どうして、この家にとどまっているの──────?