ハンコック

2008年/米
監督:ピーター・バーグ
音楽:ジョン・パウエル
主演:ウィル・スミス/シャーリーズ・セロン/ジェイソン・ベイトマン 他


・ハンコックは、人間でありながら、人間とは思えない強靭な力を持ち、空を飛ぶことができ、なおかつ不死身の肉体を持つ男である。
彼こそは、ロサンゼルスが誇るスーパーヒーロー‥‥のはず‥‥だった。
しかし、皆、彼の事が嫌いだった。疎ましいと思ってさえいた。
助けを求められ、救助に向かったはいいものの、飛び立つ前の踏み込みで地面のアスファルトが抉られるため、舗装するまでその車線が使えなくなってしまう。
飛行中には飛行機とニアミス(危ない!)。標識を壊して交通事故を起こす。
折角市民を助けたのに「もっと静かに出来ないのか?」と叱られ、悪党を退治しても「辺りを破壊せずに戦えないのか」と、まるで感謝されない。
まるで台風が去った後の被害の後始末に追われ、損害を被るだけの市としては、悪態をつきたいのもわかる気がする。
ハンコックという超人的な存在がいる社会を、当たり前のように受け入れている市民が笑える。

・ある日、ハンコックは貨物列車と衝突しそうになった車の運転手を助けた。
その男の名はレイ。仕事は『広告戦略』。彼との出会いによって、ハンコックの運命は大きく変わることになる。
・レイはハンコックにイメージアップをするにはどうしたらいいかを教え、今までの“行き過ぎた行動”を全て詫び、検察の望むとおりに服役する事。とにかく『素直』に従うことを覚えさせた。
なぜ、服役させるのか──。ハンコックが牢屋に入っている間、ロサンゼルス内にはハンコックは不在となる。
つまり‥‥ハンコックがいなかったら、ロサンゼルスの治安はどうなるか。それを世間に知らしめてやろうと目論んだのだ。
案の定、ハンコックが不在になったロサンゼルスの治安は地に堕ち、あちこちで犯罪がのさばりはじめた。
警察も犯罪者に歯が立たず(っていうか、治安悪すぎ)、「あぁ‥‥やっぱりハンコックは必要だ!」と誰もがハンコックの復活を望んだのである。
ついに、警察はお手上げで、狙い通り、所長自らハンコックに助けを求めることとなる。
助けを求められたハンコックは、いとも簡単に銀行強盗犯を捕まえ、『市に平和が戻った』と、市民からの惜しみない拍手を浴びたのである。
・人から感謝される喜びを知ったハンコックは、打ち上げに参加。
レイとメアリーに、自らの過去を語りだし、マイアミで頭蓋骨を骨折するほどお大けがを負ったが、それより前の記憶が無いことを明かした。
打ち上げで仲間(?)と呼べる存在を得て、人にも感謝され、嬉しくなって有頂天になったハンコック。
ただ『良い人』を演じたところで、残念ながら『素』は変わらないもので‥‥。
メアリーに不意打ちにキスをしてしまう。ここまで打ち解けたら良いだろうと思うハンコックも酷いが、メアリーも負けてはいない。
ハンコックを突き飛ばしたのだが──。女性の力でここまで‥‥っていうか、人間とは思えない力で吹き飛ばされるハンコック。
実はメアリーも、ハンコックと同じ超人的な能力を持つ一人であった。
・超人的な力を持つことで、『人と違う』や『人間じゃない』とか、更には『化け物』とさえ蔑まれて心を病み、荒くれ者となったハンコック。
こんな力はてっきり自分だけだと思っていたが、同じ能力を持つ人間が‥‥こんなにも近いところにいたことに喜んだハンコックは、親愛的な気持ちでメアリーを呼び出すが、なぜか闘う羽目に──。

実はハンコックとメアリーは元夫婦。
ハンコックはその記憶を失くしていたのだった。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

Move Bitch - Ludacris featuring Mystikal and I-20
https://www.youtube.com/watch?v=tw429JGL5zo
OP

Best Dressed Chicken In Town - Doctor Alimantado
https://www.youtube.com/watch?v=OhlAi2FfPhw
ハンコックが、自身をクズ呼ばわりした子を上空へ飛ばしてしまう

Wasted Days And Wasted Nights - Freddy Fender
https://www.youtube.com/watch?v=TUVgkXVDkBA
ハンコックに取られたパワーを取り戻したいと嘆く男性

Here I Come - The Roots ft. Malik B. and Dice Raw
https://www.youtube.com/watch?v=PcECnNRBhNs
ED1曲目


ヘルボーイ

2004年/米
監督:ギレルモ・デル・トロ
原作:マイク・ミニョーラ
主演:ロン・パールマン/セルマ・ブレア/ジェフリー・タンバー他


・1994年、第二次世界大戦で敗北寸前だったドイツで、トゥーレ協会の会長指揮の下、科学とオカルトの融合である『ラグナロク計画』が進められていた。
魔界の扉を開いて、悪魔の力を手にするという‥‥そんなこと出来るのか?という計画であった。
実行に移されようとした矢先に、米軍部隊に襲撃され、その怪しげな計画は未然に防がれた──かに見えた。
トゥーレ協会の会長は姿をくらまし、ラスプーチンは魔界へと吸い込まれていったが、ひょんなとこから、魔界から悪魔の子どもが地上に迷い込んでしまっていた。
見た目からして明らかに人間では無いものの、地上に迷い込んだのは、この子のせいではない。この子が悪いわけではない。まだ本当に幼く、独力で地上で生きていけるほどの体力も知力も無い為、ブルーム教授はその子にヘルボーイと名付け、我が子として育てることを決意したのである。
それから60年が経ち‥‥ラスプーチンによって永遠の命を与えられたナチスの女性将校イルザが、トゥーレ協会の会長と共に邪悪な儀式を行いラスプーチンを復活させてしまったのである。
・オカルト事件を専門に解決する組織『BRPD』のリーダーとなったブルーム教授は、がんの余命宣告を受けたことにより、余生をいかに生きるかを考えるようになっていった。
・ある日、FBIの新人捜査官ジョンがBRPDに配属された。ブルーム教授はジョンに、半魚人であるエイブを紹介し、この組織の設立と趣旨を説明する(残された時間が迫っているから、教授も熱が入っている)。
ジョンは、地下に隔離されているヘルボーイと出会い、世間一般では『伝説』として語り継がれ、漫画の中でしか描かれてこなかったヘルボーイが、実在していたことに驚きを隠せなかった。
アメコミのヒーロー像というか、ヒーローらしさはスーパーマンの頃から変わらず、突出した“1人”。
『たった1人の強いヤツ』
5人ぐらいで『戦隊』を作って群れる日本ヒーローと真逆に近い。ウルトラマンも、背後には『ウルトラ兄弟』がいるしね。
今回のヘルボーイも、仲間に頼ればいいのに(何のためにジョンを紹介されたんだ?)、たった1人で魔物の潜む博物館に突入。
しかし、強力な悪魔サマエルが出現し、接戦となってしまった。
‥‥自分で解決しようとするというか、妙な自信があるというか(;^ω^)。それがもとで、事態がややこしくなっているんだが、例え自爆とはいえ、降りかかったピンチを独力で解決すると、全てがチャラになってかっこいいという変なアメコミ方式がある。
・ジョンは、ヘルボーイを助けようと後を追いかけるものの、魔物同士の闘いに全くつかなかった(うん、変に手を出さない方が良いと思う)。
・悪魔で見た目がいかにも人間でないヘルボーイであっても、恋をする。
想いを寄せる女性の名はエリザベス。発火能力を持つ女性である。BRPDの一員でありながら、自らが持つ発火能力を制御できないため、それを悩んでしまい、精神病棟に閉じこもってしまっている。
・ヘルボーイの性格がとにかく人間臭くて面白いし可愛い。
ヘルボーイはエリザベスに対して、ひそかに恋心を抱いている。でも、自分の見た目ゆえに、告白できないでいる。
好きだけど、自分が彼女の事を好きになっていいのか分からない‥‥という感じだ。
自分が声をかけられないというのに、たやすく彼女に声をかけてくるジョンを疎ましく思う。
二人が仲良くなっていく様を見て、ジェラシーというか、なんだか嫌な気持ちになってしまう自分がいる。
だから‥‥二人が気になって尾行までしてしまう(;^ω^)
でも、実はエリザベスはヘルボーイに対して好意を持っている。しかし、自分の気持ちに一喜一憂してフワフワしているヘルボーイは全く気づかない。
あ〜もどかしくてイライラする!お互い話し合ってスッキリしなさいよ!と思うけれど、両者が奥手すぎて1oも進展しない。
自分でもこの進展しない状況に業を煮やしているのか、幼すぎて『恋愛』に無縁であろうはずの近所の子供に、恋愛相談をしてしまう(かなり重症)。
・ストーリーが進むにつれ、ヘルボーイの能力を悪用するものが現れ、苦境に立たされていきます。
 一応、SFアクションとの位置づけですが、人間の心を持った悪魔が人間に恋をして、人間が自分を受け入れていくれるかを恐れ‥‥など、『ラブ・ロマンス』としても楽しめます。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

Heart Attack and Vine - Tom Waits
https://www.youtube.com/watch?v=C49H3aWdiK8
ヘルボーイが実在したと感動するマイヤース

Red Right Hand - Pete Yorn
https://www.youtube.com/watch?v=UaMPuXA5K4Q
ゴミ収集車で移動するヘルボーイ。

Breathe In - Paloalto
https://www.youtube.com/watch?v=515pkdGdyao
ベラミー 心の病院

Creeper Lagoon - Wrecking Ball
https://www.youtube.com/watch?v=Pd-NK-mBlJ8
車から身を乗り出すシャーマンを制止するマイヤーズ

Let's Stay Together - Al Green
https://www.youtube.com/watch?v=COiIC3A0ROM
マイヤースとでかけようとするシャーマンに嫉妬するヘルボーイ

We'll Meet Again - Vera Lynn
https://www.youtube.com/watch?v=HsM_VmN6ytk
教授が書斎で聞いていた曲



ゼロ・グラビティ

2013年/米
監督:アルフォンソ・キュアロン
音楽:スティーヴン・プライス
主演:サンドラ・ブロック/ ジョージ・クルーニー他


地球から、上空600km。
そこは真空の宇宙。音を伝えるものも、気圧も、酸素も、重力もない死の世界。
医療技師ライアンは、自身が開発した医学用品がNASAに抜擢され、試作品を取り付ける為に宇宙でのミッションに参加することになった。
事前に訓練は受けたものの、実際に宇宙で船外活動をするとなれば思う通りにはいかず、NASA管制官から「心拍数が上昇している」と忠告を受けるものの、極度の緊張に晒されているので心拍数など下げれるはずもない。
・船外活動は1人で行っているわけではなく、男性のマットとシャリフもいた。
極度の緊張で周りが見えないライアンの為に、しょうもないジョークを飛ばしながら勝手にスベっていた。
・船外活動で手間取っているうちに、ヒューストンから連絡が入った。
ロシアが自国の人工衛星をミサイルで破壊したのである。
当初はライアン達の軌道上を通過しないとされていたが、衛星の破片が別の衛星に衝突した為に起動がずれ‥‥ものすごい速さで宇宙船に向かっているため、すぐさま作業を中止して船内に避難しろというのである。
・ヒューストンとの連絡も途絶え、3人は急いで避難するものの間に合わず、シャリフは飛んできた破片で頭部を負傷し、マットとライアンは宇宙空間に放り出されてしまう。
パニックに陥ったライアンは呼吸が荒くなり、酸素を著しく消耗。酸素残量は絶望的な10%を指していた。
・マットは、テザーと呼ばれる命綱をライアンに装着し確保。宇宙服についている噴射装置を利用して、なんとか宇宙船に戻ろうと試みる。
ヒューストンとの連絡は途絶えたものの、一縷の望みをかけて『一方通行』ではあるが、状況を必死に報告する。
90分後に、また破片の大群がやってくる可能性がある。
現在、自分たちは宇宙船から約900mの距離にいる。シャリフの遺体を回収し、急いで戻るようマットはライアンに伝えた。
宇宙船に戻ってみると、壊滅的な被害を受けており、船内の乗組員は全滅していた。
・マットは、ISSに行って、ソユーズに乗り込んで大気圏に突入する方法を考えているとヒューストンに連絡。
噴射装置を使いながらマットはISSを目指した。勿論、命綱で繋がっているライアンも一緒に付いてくる。
ライアンは放心状態のまま、ただただマットに引っ張られるだけ。マイナス思考に陥りがちのライアンを気遣いながら、故郷や子どものことを尋ねてみた。
すると‥‥ライアンには4歳の娘がいたが、幼稚園の鬼ごっこ中に頭部外傷によって亡くなってしまった。
元気づけるはずだったが、更にライアンを落ち込ませる形になってしまい、2人はなんとも気まずい雰囲気に──(;^_^A
ライアンの酸素残量が残り1%に迫り、ISSまでの距離は残り5分。噴射装置の燃料はギリギリ。
やっとの思いでISSに到着すると、ISSも大破しており、ソユーズの1機は離脱しており、残る1機もパラシュートが開いてしまっていた。
再び絶望的になる2人である。
しかし、更に悲劇は続いていく。

‥‥新人のライアンが、宇宙でたった独りきりになってしまうのである。

物語としては、とても単調に進んでいき、起伏は殆どない。
この作品の売りは4DXの作品であること。
宇宙空間の描写では、息をのむほどの『奥行き』が広がっている。
手の届かない絶望的な『遠さ』と、目のくらむ『宇宙の底』が映画館で観ると素晴らしかった。
命綱でクルクル回っているシーンは、“酔う”感じがありました。
映像以外では、ねじ回しの振動や宇宙船の焦げた匂い等が座席を通して伝わってくる。
不思議な作品でした。

Angels Are Hard to Find - Hank Williams Jr.
https://www.youtube.com/watch?v=zy75TkJci5c
ミッションに集中できず、ライアンが音楽を止めてくれと頼む
※マットが関わるシーンに度々登場