ツレがうつになりまして

2011年/日
監督:佐々部清
原作:細川貂々
主演:宮アあおい/堺雅人/吹越満 他


・スーツを着た男性、通称「ツレ」が、自身のお弁当を作っている。
昨夜もまた眠れなかったようだ。一方、妻の「ハルさん」はまだ寝ている。
結婚5年目、ツレは超が付くほどの几帳面。ゴミ捨て場のゴミを見つめて、何か想いを馳せていた。
・ツレの業種は、サポートセンターに近い。
機械が動かない・壊れた・使えないだの、客のクレームに対して、真摯に対応するのが仕事である。
こういう仕事はストレスたまりそうだ‥‥。私もサポートとか時々受けるけど、明らかに自分の責任なのに、堂々と「パソコンが変」って言うんですよね。変なのはお前だろ!って‥‥言えないけど(汗)。
ハルさんは漫画家。アンケートの結果が悪くて、来月号で打ち切りになってしまうらしく、落ち込んでいた。
漫画家って自由気ままな仕事に思えるが、漫画家ってムチャクチャ大変ですよ。
私が時々アシしている漫画家は連載7本抱えているが、時々電話口で編集と大喧嘩している。
アニメ化もされているけど(観たこと無いけど)、アニメ化すると嬉しい半面、これが意外と厄介なんだそうで‥‥
子どもの頃は漫画家になりたかったけど、現実知ったら‥‥無理って思ったな。
でも不思議なことに「アンタの仕事は私には無理」と言われることもあって‥‥どんな職業を選んだとしても、結局『楽な仕事は無い』ってことなんだろう。
・ツレは昼休みになっても、先ほど受けたお客さんからのクレームの件で凹んでいた。
同僚もツレと同じ業務をしているが、「パソコンが使えないって、そんなのビルゲイツに言ってもらわないとねぇ」と笑っている。そして、そういうクレームを言うやつに限って、説明書なんてろくに読んではいないと笑っていた。
でもツレは、客の悪口は言わないよう窘める。客を責めるより前に、万人に理解できない説明書が悪いのだと言う。どうやらツレは、責任感が強すぎるみたいだ。
食欲がなく、同僚にお弁当をあげてしまう。同僚もツレと同じく客からクレームを受けている身だが、受け流せるタイプらしくいちいち気にしていないようである。
・翌朝、突然ツレがナイフを持ち、「死にたい」とハルさんに呟いた。ハルさんはその言葉に驚くも「こんなナイフじゃ死ねないよ」とキッパリ突っぱね、最近どこかおかしいから病院に行くように勧めるのであった。
病院に行ったところ「うつ病」と診断され、自分でも心の変調を感じていたらしく妙に納得するのであった。
ツレは心の変調より『頭痛/背中の痛み』を主に訴えていたが、それは『仮面うつ病』というものである。
仮面は直訳なので、お面ではなく『マスキング』が相応しい。マスキングシートというのがあるが、心の変調なのに体の変調が前面に出てしまうことによってマスキングされ、見えにくくなってしまっている状態である。
うつ病は誰にでも起こりうる普通の病なので、あまり特別視はしないほうがいい。しかし、「うつ病になってごめん」とツレは言い、ハルさは「気づかなくてごめん」と謝ってしまう。
ツレは自分を奮い立たせて会社に行こうとするが、電車に乗ることが出来ず、駅のトイレで吐いてしまう。
わけもわからず何かに急き立てられ焦っているような気分になり、会社に着いたそうそう社長の前で「僕、うつ病なんです」と言ってしまう。
一瞬空気が凍り付く社内だが、病気の宣言にはタイミングというものがあり、業務中にサラリと言うものでない。軽い場面での発言は軽く返されてしまう。案の定「この仕事量なら、みんなうつ病みたいなもんだよ」と返されて、それで終わってしまった。
・ハルさんは、ツレをうつ病にさせた会社なんか辞めてしまえ!と言い、辞表を出させる。
うつ病の病気の特徴として、一度やめるとドンドン嫌な事からやめ始め、食べるのをやめる→外出をやめる→人間関係をやめる→最悪自分の人生をやめるという極端な結論を招くケースもあるので、一般的に仕事は辞めるのではなく『休職』とするのが一般的なようですね。
・医者に日記を書くよう勧められたが、ネガティブな事しか書けない。でも、これは『認知行動療法』と言ってとても理にかなっています。
ストレスが溜まって頭の中で悶々と考えても解決策が見つからない場合、紙に書くと意外と解決策が見つかったり、例え解決策が見つからなくてもそれを紙で見ることによって「考えても無駄」「考えるだけ損」と思えるようになったりもするとか。
・ツレが無職になってしまったので、ハルさんが働かなくてはいけない。読者アンケートが悪く打ち切りなってしまうハルさんは焦り、「ツレがうつになりまして‥‥仕事をください!」と大声で頼み込んだ。
その発した声により、自己啓発本の挿絵を描くよう頼まれた。
しかし、仕事を受ければ当然『締め切り』というものがある。締め切り間近でピリピリしていたハルさんだが、ツレはハルさんの“話しかけるなオーラ”に気づかず、どうでもいい細かい指摘を延々と口にしてキレられてしまう。
ツレはシュンとなってしまいその場を去るが‥‥自分の全てを否定されたような気持になってしまったのか、お風呂で首を吊ろうとしてしまい、異変を感じたハルさんに発見されて事なきを得る。
自分は不要であり、居ても迷惑をかけるだけだと泣くツレに、ハルさんはただただ謝り続けるのであった。

映画化される以上多少の脚色はありますが、実話をもとにしている以上、本当に誰にでも起こりうる出来事として、共感して心配してしまう‥‥そんな作品でした。


マイレージ、マイライフ

2009年/米
監督:ジェイソン・ライトマン
原作: ウォルター・カーン
主演:ジョージ・クルーニー/ヴェラ・ファーミガ/アナ・ケンドリック他


・中年男性ライアンの仕事は、役に立たない人にリストラ宣告を告げる、いわばプロの『解雇宣告人』だ。
1年の大半は出張で、1か月弱だけ賃貸のマンションで暮らしている。
『我が家』と呼べる場はなく、もし呼ぶとしたら空港とかもしれない。とにかく家にいない。
超ミニマリスト。家族からも『いない人』扱いで、当然独身である。
・超ミニマリストのライアンにも、一応夢がある。それは航空会社のマイレージを貯めること。
電子マネーを貯めることが夢だなんて、言ってて悲しいものはあるが、ただひたすら貯め続けるということではない。
とりあえず1000万マイルを貯める。貯めて機長に会いたいと思っているのだ。
しかし、そんなライアンの生活を脅かす事態が起こった。
ある日、本社オマハに戻ったライアンは、社長が出した改革案に驚きを隠せなかった。
今度から解雇宣告はTV電話を通じて、リモートで行うというのだ。
リモートを使って解雇宣告をすれば、解雇宣告する為だけに他社に出向く必要が無くなり、往復の飛行機代の経費が浮く。
計算した結果、なんと85%もコストカットが出来る。なんで今までわざわざ出張して対面で解雇宣告していたのだろう。もっと早く導入すべきだったと悔やむのであった。
会社としては、85%もコストカットが出来るなら即採用案件だろう。
従業員も皆乗り気だ。飛行機の往復はぶっちゃけ疲れるし、出張せずにリモートで解雇宣告できるなら、楽ってもんだ。むしろ反対する理由が見つからない。
・その改革案に、猛反対したライアン。
対面することに意義があるんだ!リモート宣告は冷たい!顔を突き合わせないと見えないものがあるんだ!と『出張解雇宣告』を推しまくった。
ライアンにとっても、正直、解雇するのに対面だろうがリモートだろうがあまり大差ない‥‥とは思っている。
しかしリモートになってしまうと、自分のマイレージが貯まらなくなってしまうので、それを避けたいのだ。
ライアンは出張して対面での解雇を推しつづけ、「もしリモート宣告中に相手が怒ってログアウトしたらどうするんだ?」と不便さをアピールするが、仮に対面であっても、怒って部屋から出て行ってしまったら同じなわけだが💦
しまいには、『出張解雇宣告』の素晴らしさを直接見せてやりたいと、頼まれもしない教育係を名乗り出た(ライアンよ、そんなにマイル貯めたいか?っていうか、業務を私物化するな💢)
・ライアンは姉から、「挙式を控えている妹と婚約者のパネルを作りたいと思っているんだけど、そのパネルの背景を、ライアンが出張する先々での“有名な場所”にしたいのよ」とお願いされた。
妹の一生に一度の思い出だから、叶えてやりたい。そのためには、なんとしても『出張解雇宣告』を継続してもらわないとならないので、ライアンは教育係に熱を入れるのであった。
・しかし、アクシデントが発生する。
出張先でナタリーが解雇宣告をしたところ、説得に失敗してしまい、あわててライアンがフォローする羽目になってしまった。
続いての出張先では、解雇宣告に絶望した従業員から「橋から飛び降りて死んでやる!」と恨まれてしまう。
ライアンは、対面での解雇宣告にナタリーは向いていないと判断し、本当は反対していたが、リモートで解雇宣告をさせてみた。
すると今度は、あまりに機械的で事務的に対応をしてしまい、「もっと言い方があったのに‥‥」と、ナタリー自暴自棄に陥ってしまう(自暴自棄になりたいのは解雇された従業員でしょうが💧)。

ライアンは、解雇宣告が対面だろうがリモートだろうが、会社から『解雇されてしまう』相手にどこまで寄り添えるか、教育係になったのも何かの縁として、ナタリーに伝えるのであった。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

This Land Is Your Land - Sharon Jones & The Dap-Kings (as Sharon Jones & The Dap-Kings)
https://www.youtube.com/watch?v=XQ78uDio_ao
OP

Goin' Home - Dan Auerbach (as Dan Auerbach)
https://www.youtube.com/watch?v=1fQ8WNjrxOY
タルサ国際空港

O.P.P. - Naughty By Nature
https://www.youtube.com/watch?v=6xGuGSDsDrM
アレックスを15年後の目標とするナタリー

Good Times - Chic
https://www.youtube.com/watch?v=eKl6EZShaaw
バーで、デイヴという男性と一緒に踊るナタリー

Bust A Move - Marvin Young (as Young MC)
Courtesy of Delicious Vinyl
https://www.youtube.com/watch?v=xy4FXhkm6Nw
アルファ・テク社に特別ゲストで呼ばれたYoung MC

Time After Time - Cyndi Lauper
https://www.youtube.com/watch?v=VdQY7BusJNU
酔ったナタリーがカラオケで歌う(原曲)

Angel in the Snow - Elliott Smith
https://www.youtube.com/watch?v=eoGMr5d120s
地理の教室に案内するライアン

Help Yourself - 'Sad Brad Smith'
https://www.youtube.com/watch?v=S0g4GAYRQE4
妹ジュリーの結婚式

Taken At All - Crosby Stills Nash & Young
https://www.youtube.com/watch?v=FlCp3Q5Kzrs
解雇宣告“ターミネーター”に法務部が難色を示す

Be Yourself - Graham Nash
https://www.youtube.com/watch?v=jWrtQOgOlHY
ED1曲目

Up in the Air - 'Kevin Renick'
https://www.youtube.com/watch?v=FtEhCTvQHgo
ED2曲目



ラブソングができるまで

2007年/米
監督:マーク・ローレンス
音楽:アダム・シュレシンジャー
主演: ヒュー・グラント/ドリュー・バリモア/ヘイリー・ベネット 他


・アレックスは、1980年代に一世を風靡したバンド『PoP』のボーカル。
しかし、あの栄光の日々はどこへやら?すっかり落ち目となり、やさぐれている。
時折オファーが来ても、テーマパークや同窓会での、いわゆる“前座”を頼まれるぐらい。
本当は蹴ってやりたい仕事だが、生活のため引き受けるしかないという、悲しい日々を送っていた。
そんなアレックスにビッグチャンスが舞い込むことになった。
全米で大人気のカリスマ歌姫コーラ・コーマンが、アレックスに「新曲を作ってほしい」とオファーしたのであった。
・コーラの事務所を訪れたアレックス。
仕事内容を聞くと、「新曲を作ってほしい。2週間後の自身のコンサートで披露したい」
コーラが曲を覚える期間を差し引くと、アレックスが曲を制作できる期間はわずか1週間しかない。
さらに同様のオファーを他にも振っており、アレックスが作曲を提供しても採用されるかどうかは不明とのこと。
「それでも引き受けてくれますか?」と尋ねるコーラ。
タイトなスケジュールかつ無駄に終わるかもしれない仕事だが、引き受けない理由が無い為、アレックスは「やります」と即答。
・アレックスは作曲家であって、歌詞は作れない。そのため、歌詞は現在ブレイク中のグレッグにオファー。
制作期間はわずか1週間の為、アレックスはグレッグに「歌詞はまだか!?歌詞はまだか!?」と急かす💧
グレッグは腰を据えて歌詞を作りたい派であり、「そんなに早くできない」と怒るが、アレックスは「まだか?まだか?」と聞いちゃいない。
二人の意見は合わないが、一応プロで仕事はする。曲も歌詞も完成し、さっそくハーサルをすることに。
・アレックスが作った曲に乗せ、歌詞を作ったグレッグが実際に歌う。
するとまた違った視点が生まれ、『曲に歌詞が合わない』という珍現象が起こった。
アレックスはグレッグに歌詞の修正を依頼するが、現在ブレイク中のグレッグが作った歌詞について、いまや落ちぶれたアレックスにダメ出しなんかされたくない(そりゃそうだ)。
首を縦に振らないグレッグに頭を悩ますアレックス。
その時、ピアノのメロディに合わせて、植木の水やりにやってきた女性ソフィーが、何気なしに独自に作った歌詞を口ずさんだ。
『一目惚れ』ならぬ『一聴惚れ💓』で、その歌詞はアレックスの胸に刺さり、彼女の作詞家の才能を見出したのである。
アレックスはソフィーに楽譜を渡し、歌詞を依頼。それを目にしたグレッグはプライドを傷つけられ、怒って辞めてしまったのであった。
・乗り気ではないソフィーだが、ソフィーの姉ロンダが物好きにも『PoP』バンドのアレックスの大ファンであり、話を受けるよう推し、ソフィーは渋々引き受けることに。
実はソフィーはもともと作家志望であったが、大学講師と破局後、自分との交際について講師が勝手に赤裸々なドキュメンタリー本にしてしまい、なんとそれがバカ売れしてしまった💥
講師は人気作家になり、ソフィーはプライベートを暴露され、本であれ曲であれ、『書く』という行為そのものが嫌になったのであった。
・コーラが指定した期日になんとか曲が完成し、晴れてその曲が見事採用されて、アレックスとソフィーは大喜び。
曲を作り上げる過程で、いつしか二人の仲も親密になっていた。
さて、『歌声がソフィーのピアノ曲』。それをコーラが歌うとこうなります!完成形を見せられたアレックスとソフィーは唖然。
全く違うアレンジに変更されており、リズムやメロディの名残も感じられないほど変わり果ててしまっていたのである。
もはや歌詞だけ残った別の曲💦になり果てており、「私はこのメロディに合う歌詞を付けたのよ!」とソフィーは大激怒💢
アレックスも当然意義を申し出るかと思いきや‥‥「いやぁ良いですねぇ♪斬新です」とべた褒め。
とりあえず自分の名前がコンサートで紹介されりゃ良いアレックスは、ここで反論してコーラが不採用とすることを避けたのである。
ソフィーは「貴方にはプライドは無いのか?」と呆れ、恋に発展する間際の段階にして、二人は別れてしまう。

・後日、ソフィーがフロリダへ発つと聞かされたアレックスは、ソフィーを好きになっていた自分に気づいた。
共に曲作りをしていた日々は最高の思い出で、今後も一緒に行いたいと思った。
アレックスはソフィーを振り向かせるべく、コーラと共にある作戦を行うことになる。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

PoP! Goes My Heart - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=xVkU8dDSC9w
冒頭のダサいPV(あくまでも、映画内で“ダサい”という設定であり、あしからず…)

Buddha's Delight - Haley Bennett
https://www.youtube.com/watch?v=iWVbegiAus8
コーラの曲

Meaningless Kiss - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=HEopBpxkYPs
87年度卒業生同窓会でアレックスが歌う

Love Autopsy - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=YUdWgqyq1rk
歌詞は出来ないと否定するソフィーに、「すでに書いてもらった」と、即興でピアノ演奏するアレックス

Way Back Into Love (Demo Version) - Hugh Grant and Drew Barrymore
https://www.youtube.com/watch?v=NsOCEpeIcx8
アレックスとソフィーが作った歌〜2人のデモテープ(楽曲として、録り直されている)

Dance With Me Tonight - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=xq6b3ra2KpA
遊園地で白けた観客相手に、契約上、アンコールを歌わされるアレックス

Forever In Your Mind - Shake Your Booty
https://www.youtube.com/watch?v=dItmfeuzUsM
腰フリダンスを教えるアレックス

Slam - Haley Bennett
https://www.youtube.com/watch?v=TgJ2OKkcMqQ
コーラの曲

Don't Write Me Off - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=ek1ChakOD7E
アレックスが、ソフィーに向けて歌う

Way Back Into Love - Hugh Grant and Haley Bennett
https://www.youtube.com/watch?v=m3Ztq2hu5Kg
アレックスとソフィーが作った歌

Work To Do - America
https://www.youtube.com/watch?v=2xmFzzG_Odo
ED2曲目