監督:ゲーリー・トゥルースデイル
音楽:アラン・メンケン
主演(声):ペイジ・オハラ/ロビー・ベンソン/リチャード・ホワイト 他
ベルは“本の虫”と呼ばれるほどの、暇さえあれば本を読みふける女性。
※ベルは通称で“美しい人”の意味。ベルも野獣も、本名は最後まで明かされていない。
村の人は本に憑りつかれたベルを“変人”と罵り嘲笑った。父親も発明家なので尚更である。
そんな変わり者のベルを、妻にしようと躍起に燃えるガストン。
村一番力が強い彼は、「俺の妻になれるなんて幸せな女性だ!」と豪語し、ベルにプロポーズをする。
しかしガストンは、ベルの事を愛してはいない。ベルが街一番の美人だから、妻に欲しいだけである。
それを知っているベルは、ガストンにプロポーズされることを悪夢かのように嘆き、断固拒否。
ベルの父はある日、山中で道に迷った挙句、止む無く城に助けを求めた。
城の使用人達は、身体が冷え寒そうな父を哀れに思い、城に招き、濡れた服を乾かして温かい茶を淹れもてなしたが、城主は、許可なく城に招いた事に激怒し、直ちに帰るように命令した。
父は、城主の姿が醜い野獣であったことに思わず息を呑み、醜い自分の姿を見られた野獣は、『自分を嘲笑った』として父を牢に閉じ込めてしまう。
城主は王子であり、元々は人の姿をしていたが、労りの心を持たなかった為に魔女に呪いをかけられ野獣の姿にされてしまっていたのである(野獣が人を愛し、愛された時に呪いは解けるそうだ)。
※確かに王子も悪いが、騙してこんな仕打ちを浴びせる魔女もどうかと思った。まだ12歳だったんだから許してやれよ

ベルは父を追って城内に入り、牢の中で咳き込む父の姿を見て、身代わりに囚人となることを希望する。
野獣は、ベルが女性であることで呪いが解けるチャンスだと受け入れるが、労りの心を持たない野獣は、父とベルの別れの挨拶もさせずに、父を城内から追い払い、ベルに泣かれてしまう。
罪悪感に苛まれた野獣は、彼女に情けや気遣いをかけるうちに、彼女を愛し、ベルの笑顔を絶やすまいと思った。
その心は徐々にベルにも伝わり、ベルもまた野獣の心の内を探ろうとする。
荒々しい性格の中に秘められた野獣の真の心は、とても優しくて親切であり、ベルもまた彼に惹かれていく。
※スペシャルエディションでは、幻の名曲『人間に戻れたら』の歌に乗せ、使用人達が人間に戻れる日を夢見て掃除をしたり、12歳で野獣となり読み書きを覚える事が出来なかった彼の為、ベルが本を読み聞かせる場面がある。
荒れた城の筈なのにダンスホールがピカピカ

※カットされたのは、歌であってシーンではない。歌が本編に組み込まれることになり、シーンは急きょ描き下ろされた。
ベルの父が病に侵されていることを知った野獣は、ベルの悲しむ顔を見たくない為、城から解放してしまう。
家で父を看病するベルは、野獣が実はとても優しかったと父に語ったが、ガストンは、野獣を話す時のベルの顔を見て、ベルが野獣を愛していると知り‥‥ベルを父共々監禁し野獣を殺しに行こうと村人を嗾け城へ向かうのであった。
ベルと結婚したいがために、医者と手を組み父を患者に仕立て上げる卑劣な行為は、もはや愛ではない。物のようにベルを扱う彼に、ガストンこそが“野獣”だと断言するベルの言葉は、愛をテーマに描いた作品の本質を捉えている。