1992年/米
監督:ジョン・マスカー/ロン・クレメンツ
・砂漠に囲まれた王国アグラバーに暮らすアラジンは、親友の猿アブーを連れ、町中をうろついている。
貧しすぎて食料を買えないため、生きていくためには‥‥盗むしかないほど。
しかし、くすねた食料を恨めしそうに見つめる子どもがいれば、迷いなく分け与える、心は優しい青年であった。
・アラジンを統治する王家では、お家騒動が勃発していた。
王女ジャスミンは、父親である国王から、結婚を催促されていた。
国王が候補として挙げたのは、他国の王子。「それって政略結婚よね?」とジャスミンは断り、窮屈で退屈な生活に、嫌気がさしていた。
国王は、国務大臣であるジャファーに、娘のことを相談する。
するとジャファーは、杖を使って国王に催眠術をかけて眠らせてしまい、王がはめていた指輪を奪ってしまう。
その指輪は、“選ばれし者”しか入れないといわれる『魔法の洞窟』を映し出し、さらには誰が“選ばれし者”かも映し出す。
実はジャファーは国を支配をもくろむ邪悪な魔法使いで、その好機を狙っていた。
『魔法の洞窟』の中には、どんな願いでも3つ叶えてくれる不思議なランプがあり、要するに“選ばれし者”にランプを取ってきてほしいのだ。
自分を国王にと願えば、この国は思いのままだ。
“選ばれし者”。そこに映っていたのは‥‥アラジンだった。
・アラジンは、今日も市場で食料を盗んでいた(なんでこんな悪ガキが“選ばれし者”なのかねぇ)。
同じく、ジャスミンも変装をして王宮を抜け出し、この市場に来ていた。
見るもの全てが新鮮で、活気のある町に感動。
おいしそうなリンゴを見つけて‥‥『金を払って食べる』システムを知らないため、そのまま持っていってしまう。
店主が咎めるが、アラジンは他から調達してきたリンゴを店主に渡し、「ほら盗まれてないよ」って‥‥そりゃぁないだろう。
ジャスミンを気に入ったアラジンは、ジャスミンをボロ家に招待。日々の食事を心配したり生活はうんざり。その日暮らしの生活から抜け出して、宮殿で暮らしたいと告げる。
ジャスミンは、「でも王宮に入ったら、こんな自由な生活は出来ないけどね」と思ったが、あえて言わなかった。
自分の身分を隠していたジャスミンだが、王宮には既にバレており、アラジンは王女ジャスミンを誘拐した罪で投獄されてしまう。
そこで、アラジンはジャスミンが王女だと知り、ボロ家に招き、王家に憧れることを語った自分を恥じたのであった。
・ジャファーは、『魔法の洞窟』にアラジンを入らせるため、「ランプを取ってこれば脱獄させてやる」とアラジンに取引をもちかけ、アラジンは二つ返事で取引に応じた。
洞窟内では、魔法の絨毯の協力もあって、ランプをすんなり発見し持って帰った。
ジャファーがランプを受け取った瞬間、ジャファーはアラジンを洞窟の外には出させず、そのまま閉じ込めてしまう。
アラジンも、完全に洞窟の外に出てからランプを渡せばよかったのに‥‥。心優しい青年と聞こえはいいが、単純で、人を疑わないおバカともいえる。
しかし、盗られたランプは猿のアブーが盗り返し、再びアラジンのもとに戻った。
こんなランプだけ有ってもなぁ〜と、試しに擦ってみると、ランプからランプの精ジーニーが飛び出てきた。
妖精(ディズニーでは『魔人』となっている)ジーニーはアラジンを主人と崇め、どんな願いでも3つ叶えてくれるという。
ただし、NGな願い事もあり、殺人・死者の復活・恋の成就は不可能だという。他にも‥‥『願いを増やせ』も無理とサラリと言っていた(爆)。
・残り2つの願いはどうするか。欲の無いアラジンは、何も思いつかなかった。
ジーニーは、欲しいものとか、欲しい地位とか、何もないのか?とアラジンは問う。
だったら‥‥と、君だったら何をお願いするんだい?と問い返した。
人の願いを叶えるだけだったジーニー。彼は『自由が欲しい』と言った。
だったら、「最後の願いで君の願いを叶えるよ」とアラジン。
実質これで、アラジンが叶えられる願いが1個になっちゃった!と思いきや、さっきの『洞窟から出して』はノーカウントだったことが判明。
僕は洞窟から出たいなぁ〜でもジーニーには無理だろうなぁ〜と独り言を言っただけで、ジーニーが勝手に僕を出しただけだと。
‥‥ずる賢い。これにはジーニーも少しムカついたようである。
・さて改めて、最初の願いはどうするか?
ジャスミンと結婚したい!でも、法律上、王家は王家としか結婚できない。だったら‥‥僕も王になればいいじゃん!
というわけで、ジーニーに願いを叶えてもらい、どこかの国のリ・アバブア王子に変身し、いざ王宮へ。
でも、これってどうするんだろう?既に各国々には国王は要るわけだし、新たにポッと国が生まれるわけでもないし──。
ディズニー映画では、そういうことを突っ込んではいけないのだ!
・一国の王となり、ジャスミンに求婚するアラジン。
毎度いつものことだと、ジャスミンはうんざりして相手にしなかった。
しかし‥‥その王が、魔法の絨毯に乗ってアラジンをデートに誘ってきたのである。
なんてロマンチック!と、ジャスミンは絨毯に乗り、デートを楽しむ。
二人の距離が近いためか、ジャスミンは、国王が市場で出会った青年と知るのである。
アラジン
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海がきこえる
1993年/日
監督:望月智充
原作: 氷室冴子
厳密にいうと、これを『映画』として紹介するべきか悩みましたが…私は映画館で観たんですよね。
だから、私の中では『映画』です
・高知から上京し、東京の大学に進学した杜崎拓は、吉祥寺駅ホームでたたずむ一人の女性に目が留まった。
その女性は、拓が高知の高校に通っていた時代、東京から転入してきた武藤里伽子というクラスメイトだった。
本人である確証はないが、武藤里伽子だった‥‥ような気がした。
拓は、同窓会のために高知へ帰省しようとしており、飛行機の中で出会った武藤里伽子っぽい女性を思い出しながら、高校時代の想い出を振り返ろうとしていた。
要するに‥‥回想が本編である。
・想い出は高校2年。
拓には松野という、同い年ながら尊敬している親友がいた。
ある日、転校生がやってくるという情報が駆け巡った。都会の東京から、わざわざ田舎の高知に来るんだって!しかも転校生は女生徒で美人ときた!
いつもクールの松野が浮かれている。はたしてどんな子なんだろう?やはり都会っ子なんだろうか?流行の先端なんだろうか?と興味津々だ。
一方の拓は、自分のクラスに来るわけじゃないので、特に何も感じていなかった。
・里伽子はクラスでは浮きまくった存在だったが、本人は全く気にしていないようであった。
松野は、そんな何物にも臆すことなく堂々としている里伽子にいつしか惹かれていくのだが、そんな松野の心に気づいた拓は‥‥なんだか嫌な感じだ。
自分のほうが松野に詳しい。だって親友なんだから。松野の魅力は、つい先日やってきたばかりの里伽子にわかってたまるかと、二人の仲を応援したくない複雑な心を抱えていた。
もし松野と里伽子が恋仲になれば、自分との距離が遠くなってしまうのでは‥‥と、思ってしまうのもまた切ないです。
別に二人の親友関係が壊れるわけじゃないし、自分は里伽子のことはなんとも思ってないのだから、三角関係になることもない。でも‥‥なんか嫌だっていう感覚、ウンウンよくわかるよ。
・季節は流れて修学旅行となり、旅行先はハワイ!
拓は里伽子に、「お金を貸して」と言われてしまう。理由は「所持金を失くしたから」
拓は、自分に借りるより担任に相談するべきだと促す(そりゃそうだ)。
しかし里伽子は「言いたくない」と拒否した。
いきなり金をせびられた拓は、お金の管理に甘い里伽子を責め、なぜ担任に言いたくないのかと尋ねる。
すると里伽子は逆ギレし、「早くお金を貸してよ!」と金を無心する。
根負けした拓は、渋々6万を貸してしまうのである(かなりの大金だぞ)。
・旅行が終わっても、里伽子は拓に6万を返さなかった。
拓は「借りたことなど忘れてしまったように──」と、里伽子の常識を疑うが、拓もきちんと請求したほうがいい。6万借りて返さないって、かなり酷いよ。
・ある日、クラスメイトの小浜から悲痛な電話がかかってきた。
そういえば、この時代ってまだ携帯無いんだ。有線の電話を限界まで引っ張り、誰にも聞かれないよう廊下まで出て、階段で話している。悲しいかな筒抜け状態であるが、こうするしかなかった時代です💧
あまりにも、電話口から聞こえる小浜がテンパっていたので宥め、何が起きたのかを聞いてみる。
「今、空港なの。二人でコンサートにいくつもりだったけど、里伽子ったら、本当はお父さんに会いに行くつもりだったんだって!行き先が違うのよ。お願い拓、里伽子を止めてよ!」
正直、拓にとってはどうでもいい話である。里伽子と小浜が二人でどこに行こうと、知ったことではない。
そのため、つい「どうして俺に言うんだよ!」と怒ってしまった。
すると小浜は「だって里伽子、この日のために拓に6万借りたって言ったの。お金のやり取りするほどの仲なら、里伽子を説得できるでしょ?」
全てを理解した拓は、大急ぎで高知空港へ。
里伽子はお金を失くしていなかったのだ。タクシーの中で、あまりの里伽子の非常識さに呆れてしまう。
怒りに震える拓だが、空港で会った里伽子の青ざめた顔を見て、怒りは一気に消え失せ、一転心配モードになってしまった。
里伽子は「大丈夫。病気ではなく生理だから」と言い、今日を乗り切ればいいだけなので、親には会いに行くという。
逆に東京に行きたくない小浜は、里伽子に「体調が悪いならキャンセルしようよ」と勧める。
小浜も自分のことでいっぱいいっぱいになっており、「里伽子がこのまま体調崩して予定を取りやめにてしてくれたらいいのに」と、かなり酷いことを言っている💨
里伽子は頑として首を縦に振らず、「じゃあ一人で行くからいいわよ」とブチ切れた。
小浜は、里伽子の言葉通り帰ってしまい、里伽子は独りで東京に行くことになってしまった──。
拓は、顔色の悪い里伽子を一人で東京に行かせるのが可哀そうになってしまい、「俺が一緒に行ってあげようか?」と尋ねる。
一応これは、社交辞令のつもりだった。「そんな‥‥悪いわよ」と断るのが普通である。
しかし里伽子は‥‥「ほんと!?」と目を輝かせ、てっきり断るだろうと思っていた拓は、ギョッとしてしまうのであった。
・東京のホテルで、自宅に電話をかける拓と、母親との会話が面白い。
夕飯の時間に間に合わなくなり帰れないことを告げる拓と、だったらいつ帰ってくるの?と尋ねる母親。
東京にいるから夕飯は食べられないと断る拓に、「朝おったじゃない」と笑う母親。
まさか、その時の気分で、パーッと高知→東京に行こうとは思わないよね。
携帯電話が無い時代。すぐに連絡がつく手段が無いので、親は心配だろう。
・東京では父親に会えたものの、すでに新しい家族ができており、自分の居場所が無いことを知った里伽子は、その夜、ホテルの部屋でヤケ酒をあおって寝てしまう。
高知に帰ってきてからも、里伽子のイライラは続いていた。
松野にプロポーズされたのだが、里伽子の癪に障ってしまい、暴言を吐きながら振ってしまう。
それを松野から知らされた拓は怒り狂い(拓もあれからイライラが続いていた)、里伽子と廊下で会うなり大喧嘩に発展する。里伽子は拓にビンタを食らわしたが、拓も手加減なしでビンタを返したのである。
男性の力で、手加減なしのビンタは痛そうだ。
・季節は秋になり、文化祭の準備の真っ最中であった。
各クラス出し物があり、祭りに向けて準備や練習があるものだが、里伽子は一切参加をしなかった。
そのため、クラスの女子から責められ、つるし上げになっていた。
里伽子は『参加したくないから参加しない』という。
確かに、参加は強制ではない。参加したくなければ参加しなくていい。でもさぁ‥‥皆が参加するなら参加する(これは同調圧力になるのか?)のが普通じゃないの?と、リーダーは責めるが、里伽子は一歩も引かなかった。
拓は遠目から見て見ぬふりをして傍観し、一部始終を見られていた里伽子は泣いてどこかへ行ってしまった。
すると、そこへ松野がやってきて、里伽子が泣いていたが、何が遭ったのかと拓に問う。
これこれこういうことが‥‥。すると、なぜつるし上げを止めなかったのかと松野は拓を責め、拓を殴り飛ばして去っていったのだった。
里伽子に責められ、松野にも責められ、ぎくしゃくしてきた仲。
回想を終え、現代から俯瞰する拓は、当時のわだかまりについて想い、あの時代特有の『自我』について振り返るのであった。
スタジオジブリの『若手制作集団』を育てるための企画。
これがヒットすれば、2作3作と続ける予定でしたが、思いのほか伸びなかったため、1作のみとなってしまった(爆)。
実在の風景が随所に登場し、今でも聖地巡礼が絶えません。
若手集団が、若手の感性をもとに若手向けに作ったため、同世代には受けた作品ですが(私は今でも好き)、幅広い世代までは及ばなかったようですね。
監督:望月智充
原作: 氷室冴子
厳密にいうと、これを『映画』として紹介するべきか悩みましたが…私は映画館で観たんですよね。
だから、私の中では『映画』です
・高知から上京し、東京の大学に進学した杜崎拓は、吉祥寺駅ホームでたたずむ一人の女性に目が留まった。
その女性は、拓が高知の高校に通っていた時代、東京から転入してきた武藤里伽子というクラスメイトだった。
本人である確証はないが、武藤里伽子だった‥‥ような気がした。
拓は、同窓会のために高知へ帰省しようとしており、飛行機の中で出会った武藤里伽子っぽい女性を思い出しながら、高校時代の想い出を振り返ろうとしていた。
要するに‥‥回想が本編である。
・想い出は高校2年。
拓には松野という、同い年ながら尊敬している親友がいた。
ある日、転校生がやってくるという情報が駆け巡った。都会の東京から、わざわざ田舎の高知に来るんだって!しかも転校生は女生徒で美人ときた!
いつもクールの松野が浮かれている。はたしてどんな子なんだろう?やはり都会っ子なんだろうか?流行の先端なんだろうか?と興味津々だ。
一方の拓は、自分のクラスに来るわけじゃないので、特に何も感じていなかった。
・里伽子はクラスでは浮きまくった存在だったが、本人は全く気にしていないようであった。
松野は、そんな何物にも臆すことなく堂々としている里伽子にいつしか惹かれていくのだが、そんな松野の心に気づいた拓は‥‥なんだか嫌な感じだ。
自分のほうが松野に詳しい。だって親友なんだから。松野の魅力は、つい先日やってきたばかりの里伽子にわかってたまるかと、二人の仲を応援したくない複雑な心を抱えていた。
もし松野と里伽子が恋仲になれば、自分との距離が遠くなってしまうのでは‥‥と、思ってしまうのもまた切ないです。
別に二人の親友関係が壊れるわけじゃないし、自分は里伽子のことはなんとも思ってないのだから、三角関係になることもない。でも‥‥なんか嫌だっていう感覚、ウンウンよくわかるよ。
・季節は流れて修学旅行となり、旅行先はハワイ!
拓は里伽子に、「お金を貸して」と言われてしまう。理由は「所持金を失くしたから」
拓は、自分に借りるより担任に相談するべきだと促す(そりゃそうだ)。
しかし里伽子は「言いたくない」と拒否した。
いきなり金をせびられた拓は、お金の管理に甘い里伽子を責め、なぜ担任に言いたくないのかと尋ねる。
すると里伽子は逆ギレし、「早くお金を貸してよ!」と金を無心する。
根負けした拓は、渋々6万を貸してしまうのである(かなりの大金だぞ)。
・旅行が終わっても、里伽子は拓に6万を返さなかった。
拓は「借りたことなど忘れてしまったように──」と、里伽子の常識を疑うが、拓もきちんと請求したほうがいい。6万借りて返さないって、かなり酷いよ。
・ある日、クラスメイトの小浜から悲痛な電話がかかってきた。
そういえば、この時代ってまだ携帯無いんだ。有線の電話を限界まで引っ張り、誰にも聞かれないよう廊下まで出て、階段で話している。悲しいかな筒抜け状態であるが、こうするしかなかった時代です💧
あまりにも、電話口から聞こえる小浜がテンパっていたので宥め、何が起きたのかを聞いてみる。
「今、空港なの。二人でコンサートにいくつもりだったけど、里伽子ったら、本当はお父さんに会いに行くつもりだったんだって!行き先が違うのよ。お願い拓、里伽子を止めてよ!」
正直、拓にとってはどうでもいい話である。里伽子と小浜が二人でどこに行こうと、知ったことではない。
そのため、つい「どうして俺に言うんだよ!」と怒ってしまった。
すると小浜は「だって里伽子、この日のために拓に6万借りたって言ったの。お金のやり取りするほどの仲なら、里伽子を説得できるでしょ?」
全てを理解した拓は、大急ぎで高知空港へ。
里伽子はお金を失くしていなかったのだ。タクシーの中で、あまりの里伽子の非常識さに呆れてしまう。
怒りに震える拓だが、空港で会った里伽子の青ざめた顔を見て、怒りは一気に消え失せ、一転心配モードになってしまった。
里伽子は「大丈夫。病気ではなく生理だから」と言い、今日を乗り切ればいいだけなので、親には会いに行くという。
逆に東京に行きたくない小浜は、里伽子に「体調が悪いならキャンセルしようよ」と勧める。
小浜も自分のことでいっぱいいっぱいになっており、「里伽子がこのまま体調崩して予定を取りやめにてしてくれたらいいのに」と、かなり酷いことを言っている💨
里伽子は頑として首を縦に振らず、「じゃあ一人で行くからいいわよ」とブチ切れた。
小浜は、里伽子の言葉通り帰ってしまい、里伽子は独りで東京に行くことになってしまった──。
拓は、顔色の悪い里伽子を一人で東京に行かせるのが可哀そうになってしまい、「俺が一緒に行ってあげようか?」と尋ねる。
一応これは、社交辞令のつもりだった。「そんな‥‥悪いわよ」と断るのが普通である。
しかし里伽子は‥‥「ほんと!?」と目を輝かせ、てっきり断るだろうと思っていた拓は、ギョッとしてしまうのであった。
・東京のホテルで、自宅に電話をかける拓と、母親との会話が面白い。
夕飯の時間に間に合わなくなり帰れないことを告げる拓と、だったらいつ帰ってくるの?と尋ねる母親。
東京にいるから夕飯は食べられないと断る拓に、「朝おったじゃない」と笑う母親。
まさか、その時の気分で、パーッと高知→東京に行こうとは思わないよね。
携帯電話が無い時代。すぐに連絡がつく手段が無いので、親は心配だろう。
・東京では父親に会えたものの、すでに新しい家族ができており、自分の居場所が無いことを知った里伽子は、その夜、ホテルの部屋でヤケ酒をあおって寝てしまう。
高知に帰ってきてからも、里伽子のイライラは続いていた。
松野にプロポーズされたのだが、里伽子の癪に障ってしまい、暴言を吐きながら振ってしまう。
それを松野から知らされた拓は怒り狂い(拓もあれからイライラが続いていた)、里伽子と廊下で会うなり大喧嘩に発展する。里伽子は拓にビンタを食らわしたが、拓も手加減なしでビンタを返したのである。
男性の力で、手加減なしのビンタは痛そうだ。
・季節は秋になり、文化祭の準備の真っ最中であった。
各クラス出し物があり、祭りに向けて準備や練習があるものだが、里伽子は一切参加をしなかった。
そのため、クラスの女子から責められ、つるし上げになっていた。
里伽子は『参加したくないから参加しない』という。
確かに、参加は強制ではない。参加したくなければ参加しなくていい。でもさぁ‥‥皆が参加するなら参加する(これは同調圧力になるのか?)のが普通じゃないの?と、リーダーは責めるが、里伽子は一歩も引かなかった。
拓は遠目から見て見ぬふりをして傍観し、一部始終を見られていた里伽子は泣いてどこかへ行ってしまった。
すると、そこへ松野がやってきて、里伽子が泣いていたが、何が遭ったのかと拓に問う。
これこれこういうことが‥‥。すると、なぜつるし上げを止めなかったのかと松野は拓を責め、拓を殴り飛ばして去っていったのだった。
里伽子に責められ、松野にも責められ、ぎくしゃくしてきた仲。
回想を終え、現代から俯瞰する拓は、当時のわだかまりについて想い、あの時代特有の『自我』について振り返るのであった。
スタジオジブリの『若手制作集団』を育てるための企画。
これがヒットすれば、2作3作と続ける予定でしたが、思いのほか伸びなかったため、1作のみとなってしまった(爆)。
実在の風景が随所に登場し、今でも聖地巡礼が絶えません。
若手集団が、若手の感性をもとに若手向けに作ったため、同世代には受けた作品ですが(私は今でも好き)、幅広い世代までは及ばなかったようですね。
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シンデレラ
1952年/米
・昔、あるところにシンデレラという名の少女がいた。母親は既に他界している。
父親は再婚したのだが、その女性には2人の連れ子がいた。
だが再婚した矢先、今度は自分が亡くなってしまう。
跡を継ぐことになった継母は本性を現し、屋敷も財産も独占し、シンデレラを召使のように利用した。
なんで‥‥父親はこの女性と結婚したんだろうか?彼女のどこに惹かれたのか意味不明である。
とても理不尽な扱いだが、シンデレラは反抗することはせず、すべてを受け入れていた。
普通だったら病んでしまうが、シンデレラには家に住まう動物たち(鳥やネズミ)と仲良しで、特にネズミのジャックとは親友の仲だった。
・ある日、国の行く末を憂える国王がいた。可愛い孫が欲しと願っている国王。しかし、息子(王子)は適齢期を過ぎてもなかなか結婚しようとしない。
そんな王子を見かねた国王は、見合いを兼ねた舞踏会を思いつき、早速企画。
王子と同年代の女性は全員招待され、当然その招待状はシンデレラ宅にも届いた。
継母は、我が子をぜひに!と張り切りだす。娘たちも王子の妃になるため、何着ていこうかとテンション爆上がり。
シンデレラは、「私にも資格はありますよね?」と継母に頼んだ。
すると継母は、家の仕事を完ぺきにこなし、かつ舞踏会に着ていくドレスがあるなら、連れてってあげると約束してくれた。
娘たちは、シンデレラが舞踏会に行くことを快く思っていない様子で、継母に「どうしてあんなことを言ったの?」と突っかかる。
しかし継母は、シンデレラに次々に仕事を命じることで、ドレスを仕立てる時間を失くしてやればいいと嘲笑ったのだった。
事実、いつもの倍以上働かされたシンデレラは、時間に追われて結局ドレスを仕立てることができず、落胆する。
しかし‥‥なんと友達の動物たちが、家じゅうから材料をかき集め、流行りのドレスに仕立ててくれたのだった。
シンデレラは、亡くなった継母が遺してくれたドレスが時代遅れだと嘆いていたが、そんなに変なドレスじゃなかったし、シンデレラなら何着ても似合うと思う。
舞踏会の夜。動物たちが作ってくれたドレスに感動するシンデレラ。
小躍りしながら「私も連れてって」と頼むシンデレラに、継母と娘2人はいやな顔を見せる。
しかし継母は、シンデレラのドレスの装飾品が娘のものと気づき、わざと娘に見せて気づかせ‥‥ドレスをびりびりに破かせた。
さすがにこんな仕打ちを受けたらキレてしまいそうだが、シンデレラは言い返すことなく、ただただ泣くのであった。
・自分の不幸を嘆くシンデレラに、妖精のゴッドマザーが現れる。
歌いながら魔法をかけるゴッドマザー。ネズミは馬に‥‥かぼちゃは馬車に‥‥ドレスは美しい純白へと変身。
余談だが、原作ではゴッドマザーが魔法で変化させたのは『馬・馬車・御者・ドレス』で、靴は『渡した』となっており、ゴッドマザーの私物。そのために12時を過ぎても消えなかったとされている。
遅れて舞踏会にやってきたシンデレラ。さきほどまであくびをしていた王子も、シンデレラの美しさに一目ぼれ。
周りの女性たちも、シンデレラの美しさに見惚れ、きっとどこかのお姫様だと思っていた。
継母たちも、「どこかで見たような‥‥」と首をかしげている。
おいおい毎日見ているだろうが!と突っ込みを入れたくなるが、原作では、シンデレラは薄汚れた日の当たらぬ地下の納屋にいて、顔は常時灰と煤で顔が汚れていたとされる(シンデレラ=灰かぶり)
そこまでこき使う継母と義娘がひどすぎる。
・シンデレラと王子は夢中で踊り、時がすぎるのも忘れるほどだった。
12時の鐘が鳴り、慌てて城を飛び出すシンデレラ。
鐘が鳴った時点で既に12時だと思うが‥‥まあいいか💦『12時まで』だから12時1分未満ならセーフか?
階段を駆け下りる途中、靴が脱げてしまう(転ばなくてよかったね)。慌てて取りに戻ろうとするが、王子が後を追ってきた為、諦めてしまう。
・王子は、一緒にダンスを踊った女性を探すため、ガラスの靴がぴったり合う女性を探すよう命じた。
家来はガラスの靴を手にし、国中の娘に履かせているが、サイズが合う娘は見つからない。
国中の女性が履けない靴。よほど小さいって一体‥‥。原作だと、20〜21pだそう。
でも仮に‥‥シンデレラに順番が回ってくる前に履ける女性がいたら、果たして王子はその娘と結婚するのだろうか?所詮、靴さえ合えば良いんだろうか?
本気で結婚したいなら、面倒でも王子も同行するべきだと思うけど。
・シンデレラの屋敷にも、家来が到着。
2人の娘は我先にと靴を試すが、履くことができない。
シンデレラはどうしているかというと‥‥何気なしに口ずんだ歌を継母が聞いており、その歌声によって、シンデレラこそが王子が探している娘だと気づいてしまい、ショックを受けるのだった。
ただ、要するに靴を履かせなければいいじゃんと‥‥シンデレラを部屋に閉じ込めて鍵をかけてしまうのであった。
もしここでシンデレラが飛ばされて、他の人に靴が合った場合、王子はどうするんだろう。結婚するのか?靴さえ合えば良いのか?
仮に、誰にも靴が合わなかった場合、一からやり直すのだろうか?
原作はかなり残酷な話で、靴が合わない娘たちは、踵やつま先を斬ってでも靴を履こうとする(執念がすご過ぎ)。
靴から血が滴っているのがバレて、結局『靴は合わなかった』となり、踵やつま先を失った娘たちは歩行障害に悩まされることとなる。
それだけでも気の毒だが、そこへ鳥がやってきて継母と娘の目を潰してしまい、盲目かつ歩行障害で日常生活が困難になるほどの報復を受けることになってしまうのである。
確かにシンデレラは下働きをさせられてはいたが、身体的虐待は一切していない。なので、そこまでの仕打ちを受けるほどの罪を犯したのだろうか‥‥とも思う。
なお『シンデレラ』には後日談があり、その中でもアナスタシアの恋物語はとても興味深い。
母親は、娘2人を上流階級の男に嫁がせようと画策するが、アナスタシアが好きになったのはパン屋の男性だった。
それを知った継母は別れるよう指示し、アナスタシアは言われるまま男の元を去るが、男のことが忘れられなかった。
するとシンデレラはアナスタシアに、「好きなら好きなままでいるように」「いつか幸せになれる」と背中を押すのである。
あれだけひどい目に遭わされたのに、恨むことなく、アナスタシアのために協力できるシンデレラがすてきである。
・昔、あるところにシンデレラという名の少女がいた。母親は既に他界している。
父親は再婚したのだが、その女性には2人の連れ子がいた。
だが再婚した矢先、今度は自分が亡くなってしまう。
跡を継ぐことになった継母は本性を現し、屋敷も財産も独占し、シンデレラを召使のように利用した。
なんで‥‥父親はこの女性と結婚したんだろうか?彼女のどこに惹かれたのか意味不明である。
とても理不尽な扱いだが、シンデレラは反抗することはせず、すべてを受け入れていた。
普通だったら病んでしまうが、シンデレラには家に住まう動物たち(鳥やネズミ)と仲良しで、特にネズミのジャックとは親友の仲だった。
・ある日、国の行く末を憂える国王がいた。可愛い孫が欲しと願っている国王。しかし、息子(王子)は適齢期を過ぎてもなかなか結婚しようとしない。
そんな王子を見かねた国王は、見合いを兼ねた舞踏会を思いつき、早速企画。
王子と同年代の女性は全員招待され、当然その招待状はシンデレラ宅にも届いた。
継母は、我が子をぜひに!と張り切りだす。娘たちも王子の妃になるため、何着ていこうかとテンション爆上がり。
シンデレラは、「私にも資格はありますよね?」と継母に頼んだ。
すると継母は、家の仕事を完ぺきにこなし、かつ舞踏会に着ていくドレスがあるなら、連れてってあげると約束してくれた。
娘たちは、シンデレラが舞踏会に行くことを快く思っていない様子で、継母に「どうしてあんなことを言ったの?」と突っかかる。
しかし継母は、シンデレラに次々に仕事を命じることで、ドレスを仕立てる時間を失くしてやればいいと嘲笑ったのだった。
事実、いつもの倍以上働かされたシンデレラは、時間に追われて結局ドレスを仕立てることができず、落胆する。
しかし‥‥なんと友達の動物たちが、家じゅうから材料をかき集め、流行りのドレスに仕立ててくれたのだった。
シンデレラは、亡くなった継母が遺してくれたドレスが時代遅れだと嘆いていたが、そんなに変なドレスじゃなかったし、シンデレラなら何着ても似合うと思う。
舞踏会の夜。動物たちが作ってくれたドレスに感動するシンデレラ。
小躍りしながら「私も連れてって」と頼むシンデレラに、継母と娘2人はいやな顔を見せる。
しかし継母は、シンデレラのドレスの装飾品が娘のものと気づき、わざと娘に見せて気づかせ‥‥ドレスをびりびりに破かせた。
さすがにこんな仕打ちを受けたらキレてしまいそうだが、シンデレラは言い返すことなく、ただただ泣くのであった。
・自分の不幸を嘆くシンデレラに、妖精のゴッドマザーが現れる。
歌いながら魔法をかけるゴッドマザー。ネズミは馬に‥‥かぼちゃは馬車に‥‥ドレスは美しい純白へと変身。
余談だが、原作ではゴッドマザーが魔法で変化させたのは『馬・馬車・御者・ドレス』で、靴は『渡した』となっており、ゴッドマザーの私物。そのために12時を過ぎても消えなかったとされている。
遅れて舞踏会にやってきたシンデレラ。さきほどまであくびをしていた王子も、シンデレラの美しさに一目ぼれ。
周りの女性たちも、シンデレラの美しさに見惚れ、きっとどこかのお姫様だと思っていた。
継母たちも、「どこかで見たような‥‥」と首をかしげている。
おいおい毎日見ているだろうが!と突っ込みを入れたくなるが、原作では、シンデレラは薄汚れた日の当たらぬ地下の納屋にいて、顔は常時灰と煤で顔が汚れていたとされる(シンデレラ=灰かぶり)
そこまでこき使う継母と義娘がひどすぎる。
・シンデレラと王子は夢中で踊り、時がすぎるのも忘れるほどだった。
12時の鐘が鳴り、慌てて城を飛び出すシンデレラ。
鐘が鳴った時点で既に12時だと思うが‥‥まあいいか💦『12時まで』だから12時1分未満ならセーフか?
階段を駆け下りる途中、靴が脱げてしまう(転ばなくてよかったね)。慌てて取りに戻ろうとするが、王子が後を追ってきた為、諦めてしまう。
・王子は、一緒にダンスを踊った女性を探すため、ガラスの靴がぴったり合う女性を探すよう命じた。
家来はガラスの靴を手にし、国中の娘に履かせているが、サイズが合う娘は見つからない。
国中の女性が履けない靴。よほど小さいって一体‥‥。原作だと、20〜21pだそう。
でも仮に‥‥シンデレラに順番が回ってくる前に履ける女性がいたら、果たして王子はその娘と結婚するのだろうか?所詮、靴さえ合えば良いんだろうか?
本気で結婚したいなら、面倒でも王子も同行するべきだと思うけど。
・シンデレラの屋敷にも、家来が到着。
2人の娘は我先にと靴を試すが、履くことができない。
シンデレラはどうしているかというと‥‥何気なしに口ずんだ歌を継母が聞いており、その歌声によって、シンデレラこそが王子が探している娘だと気づいてしまい、ショックを受けるのだった。
ただ、要するに靴を履かせなければいいじゃんと‥‥シンデレラを部屋に閉じ込めて鍵をかけてしまうのであった。
もしここでシンデレラが飛ばされて、他の人に靴が合った場合、王子はどうするんだろう。結婚するのか?靴さえ合えば良いのか?
仮に、誰にも靴が合わなかった場合、一からやり直すのだろうか?
原作はかなり残酷な話で、靴が合わない娘たちは、踵やつま先を斬ってでも靴を履こうとする(執念がすご過ぎ)。
靴から血が滴っているのがバレて、結局『靴は合わなかった』となり、踵やつま先を失った娘たちは歩行障害に悩まされることとなる。
それだけでも気の毒だが、そこへ鳥がやってきて継母と娘の目を潰してしまい、盲目かつ歩行障害で日常生活が困難になるほどの報復を受けることになってしまうのである。
確かにシンデレラは下働きをさせられてはいたが、身体的虐待は一切していない。なので、そこまでの仕打ちを受けるほどの罪を犯したのだろうか‥‥とも思う。
なお『シンデレラ』には後日談があり、その中でもアナスタシアの恋物語はとても興味深い。
母親は、娘2人を上流階級の男に嫁がせようと画策するが、アナスタシアが好きになったのはパン屋の男性だった。
それを知った継母は別れるよう指示し、アナスタシアは言われるまま男の元を去るが、男のことが忘れられなかった。
するとシンデレラはアナスタシアに、「好きなら好きなままでいるように」「いつか幸せになれる」と背中を押すのである。
あれだけひどい目に遭わされたのに、恨むことなく、アナスタシアのために協力できるシンデレラがすてきである。
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