マイレージ、マイライフ

2009年/米
監督:ジェイソン・ライトマン
原作: ウォルター・カーン
主演:ジョージ・クルーニー/ヴェラ・ファーミガ/アナ・ケンドリック他


・中年男性ライアンの仕事は、役に立たない人にリストラ宣告を告げる、いわばプロの『解雇宣告人』だ。
1年の大半は出張で、1か月弱だけ賃貸のマンションで暮らしている。
『我が家』と呼べる場はなく、もし呼ぶとしたら空港とかもしれない。とにかく家にいない。
超ミニマリスト。家族からも『いない人』扱いで、当然独身である。
・超ミニマリストのライアンにも、一応夢がある。それは航空会社のマイレージを貯めること。
電子マネーを貯めることが夢だなんて、言ってて悲しいものはあるが、ただひたすら貯め続けるということではない。
とりあえず1000万マイルを貯める。貯めて機長に会いたいと思っているのだ。
しかし、そんなライアンの生活を脅かす事態が起こった。
ある日、本社オマハに戻ったライアンは、社長が出した改革案に驚きを隠せなかった。
今度から解雇宣告はTV電話を通じて、リモートで行うというのだ。
リモートを使って解雇宣告をすれば、解雇宣告する為だけに他社に出向く必要が無くなり、往復の飛行機代の経費が浮く。
計算した結果、なんと85%もコストカットが出来る。なんで今までわざわざ出張して対面で解雇宣告していたのだろう。もっと早く導入すべきだったと悔やむのであった。
会社としては、85%もコストカットが出来るなら即採用案件だろう。
従業員も皆乗り気だ。飛行機の往復はぶっちゃけ疲れるし、出張せずにリモートで解雇宣告できるなら、楽ってもんだ。むしろ反対する理由が見つからない。
・その改革案に、猛反対したライアン。
対面することに意義があるんだ!リモート宣告は冷たい!顔を突き合わせないと見えないものがあるんだ!と『出張解雇宣告』を推しまくった。
ライアンにとっても、正直、解雇するのに対面だろうがリモートだろうがあまり大差ない‥‥とは思っている。
しかしリモートになってしまうと、自分のマイレージが貯まらなくなってしまうので、それを避けたいのだ。
ライアンは出張して対面での解雇を推しつづけ、「もしリモート宣告中に相手が怒ってログアウトしたらどうするんだ?」と不便さをアピールするが、仮に対面であっても、怒って部屋から出て行ってしまったら同じなわけだが💦
しまいには、『出張解雇宣告』の素晴らしさを直接見せてやりたいと、頼まれもしない教育係を名乗り出た(ライアンよ、そんなにマイル貯めたいか?っていうか、業務を私物化するな💢)
・ライアンは姉から、「挙式を控えている妹と婚約者のパネルを作りたいと思っているんだけど、そのパネルの背景を、ライアンが出張する先々での“有名な場所”にしたいのよ」とお願いされた。
妹の一生に一度の思い出だから、叶えてやりたい。そのためには、なんとしても『出張解雇宣告』を継続してもらわないとならないので、ライアンは教育係に熱を入れるのであった。
・しかし、アクシデントが発生する。
出張先でナタリーが解雇宣告をしたところ、説得に失敗してしまい、あわててライアンがフォローする羽目になってしまった。
続いての出張先では、解雇宣告に絶望した従業員から「橋から飛び降りて死んでやる!」と恨まれてしまう。
ライアンは、対面での解雇宣告にナタリーは向いていないと判断し、本当は反対していたが、リモートで解雇宣告をさせてみた。
すると今度は、あまりに機械的で事務的に対応をしてしまい、「もっと言い方があったのに‥‥」と、ナタリー自暴自棄に陥ってしまう(自暴自棄になりたいのは解雇された従業員でしょうが💧)。

ライアンは、解雇宣告が対面だろうがリモートだろうが、会社から『解雇されてしまう』相手にどこまで寄り添えるか、教育係になったのも何かの縁として、ナタリーに伝えるのであった。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

This Land Is Your Land - Sharon Jones & The Dap-Kings (as Sharon Jones & The Dap-Kings)
https://www.youtube.com/watch?v=XQ78uDio_ao
OP

Goin' Home - Dan Auerbach (as Dan Auerbach)
https://www.youtube.com/watch?v=1fQ8WNjrxOY
タルサ国際空港

O.P.P. - Naughty By Nature
https://www.youtube.com/watch?v=6xGuGSDsDrM
アレックスを15年後の目標とするナタリー

Good Times - Chic
https://www.youtube.com/watch?v=eKl6EZShaaw
バーで、デイヴという男性と一緒に踊るナタリー

Bust A Move - Marvin Young (as Young MC)
Courtesy of Delicious Vinyl
https://www.youtube.com/watch?v=xy4FXhkm6Nw
アルファ・テク社に特別ゲストで呼ばれたYoung MC

Time After Time - Cyndi Lauper
https://www.youtube.com/watch?v=VdQY7BusJNU
酔ったナタリーがカラオケで歌う(原曲)

Angel in the Snow - Elliott Smith
https://www.youtube.com/watch?v=eoGMr5d120s
地理の教室に案内するライアン

Help Yourself - 'Sad Brad Smith'
https://www.youtube.com/watch?v=S0g4GAYRQE4
妹ジュリーの結婚式

Taken At All - Crosby Stills Nash & Young
https://www.youtube.com/watch?v=FlCp3Q5Kzrs
解雇宣告“ターミネーター”に法務部が難色を示す

Be Yourself - Graham Nash
https://www.youtube.com/watch?v=jWrtQOgOlHY
ED1曲目

Up in the Air - 'Kevin Renick'
https://www.youtube.com/watch?v=FtEhCTvQHgo
ED2曲目



ルビー・スパークス

2012年/米
監督:ジョナサン・デイトン
脚本: ゾーイ・カザン
主演:ポール・ダノ/ ゾーイ・カザン/ アネット・ベニング他


・小説家のカルヴィンは、若いながらもベストセラー作家であり、巷では『天才』とも言われていた。
最近ではスランプに苦しみ、見かねた兄から「恋人が出来ればきっと新たな作品が書けるよ」とアドバイスをされたが‥‥カルヴィンはコミュ障で根暗で、友達皆無だった。
自分に好意を持ってくれる女性は現れたことはあったが、彼女は自分の才能と印税に興味があるだけで、カルヴィン本人を好きなわけではなかった。
そういう事が何度か続いたあげく、<すっかり人間不信になってしまったカルヴィンは、現在は心療内科に通っている(可哀そうに)。
・ある日、精神科医はカウンセリングを兼ねてカルヴィンにこう提案する。「『あなたの飼い犬を可愛がる女性』の物語を書いてみなさい」
カルヴィンは気乗りしないまま、適当に1ページ書いて眠りについた。すると、その1ページの光景が夢のなかで忠実に再現されたのである。
夢の中の女性に好意を持ったカルヴィンは、女性を「ルビー・スパークス」と名付け、『カルヴィンの飼い犬とルビーの物語』を書き始めることにする。
・小説を書き始めてから、カルヴィンの周囲で奇妙なことが起こり始め、部屋に『女性の気配』がたびたび感じられるようになる。
ある朝、キッチンで朝食の支度をしているルビーの姿にカルヴィンは驚愕する。
心療内科に通ってはいるが、ついには幻覚まで見るようになってしまったのか──と落ち込むが、なんとルビーの姿は他の人にも見えていた。
ルビーは、カルヴィンが設定した通りの『姿・声・しぐさ』で語り掛け、カルヴィンは、彼女が『自分が具現化させた女性』と確信する。
兄はルビーを見るなり二人の恋を祝福するが、カルヴィンは彼女を『自分が造り出した偶像』だと説明する。
全く信じない兄に対し、カルヴィンはルビーの設定に『フランス語も話せる』と追加。物語内に「ルビーが流暢なフランス語で兄とカルヴィンに話しかける」と書き加えた。
すると、ルビーは流暢なフランス語で話しかけ‥‥兄もビックリ。
・ルビーの存在を気味悪がるカルヴィンに対して、兄は羨ましそうだった。「これってさぁ、設定のさせ方や物語の書き方次第で、自分を好きになってもらうことも出来るんだよな?」と、『理想の彼女』を造るよう提案(オイオイ💦)。
するとカルヴィンは大激怒。彼にとっては、夢の中で出会ったルビーが自分の中での最高の理想の女性であり、その女性が現実に出てきた。彼女に対し、これ以上望むものはない。それに、ルビーは操られるために自分の前に具現化されたのではないと断言したのだ。
その為物語は封印し、今の自分にとっての最高の彼女ルビーと共に過ごすことを決めたのである。
・カルヴィンはルビーを友達に紹介し、『俺の最高の彼女』と自慢しまくる。
ルビーは社会に出ることで自我が完全に確立し、見るもの触るもの全てを吸収し、純粋無垢なあくなき探求心で周りの人気者となっていく。
コミュ障で根暗なカルヴィンが、ルビーに話しかけてもらいたいと彼女に設定させた“社交的”な性格により、ルビーの行動範囲はドンドン広がり、いつしか『カルヴィンだけの彼女』から徐々に離れていきつつあったのだ。
カルヴィンは自分に戒めた禁を犯し、物語を取り出して‥‥つい、一言書き加えてしまう。
・月日が経つと、ルビーは更に行動範囲を広げ、絵画教室にも通い始め、そこで新たな友を持ち、いつしかカルヴィンと過ごす時間が無くなっていく。
カルヴィンが与えたルビーの初期設定『明るい・社交的・ポジティブ思考』のスペックが強すぎて、カルヴィン以外の男性らもルビーの事を好きになってしまい、ルビーもまんざらではない様子の為、カルヴィンは嫉妬してしまう。
ルビーを独り占めしたいカルヴィンは、ルビーの気持ちが離れそうになる度に、『ルビーはカルヴィンと一緒にいたくなる』『ルビーはカルヴィンと離れたくなくなる』『ルビーは‥‥』とドンドン書き加え、いつしかルビーを支配するようになる(ルビーを変える前に、なぜ自分の性格を変えようとしないんだ💥)。
・既に普通の女性と同じように生活しているルビーは、時折、自分の言動が自身の意に反している奇妙さに気づくようになってきた(ついにXデーがやってきたのだ!)。
最初のルビーの記憶は、カルヴィンの家のキッチンから始まっている。カルヴィンなら何か知っているかもしれないと、ルビーはカルヴィンに『自身の謎』について問いただすのだった──。

こんな女性がいたらいいな〜と脳裏に描いた女性が具現化される。果たしてそれは人間と言えるのか?
人間として、共に過ごすことはできるのか?
女性が自分の存在に気付いた時、生み出された女性は、自分を受け止めることはできるのか?
夢物語でありながら、コメディで、とても哲学的な話です。
カルヴィン目線でストーリーが進むため、女性がルビー目線で見てしまうと気の毒に思えてくるシーンがあるので注意が必要です。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

Ca Plane Pour Moi - Plastic Bertrand
https://www.youtube.com/watch?v=xTo79sPCVXA
ゾンビ映画を観て盛り上がるカルヴィンとルビー。

Quand Tu Es La - Sylvie Vartan
https://www.youtube.com/watch?v=XF7FSrFP2qA
カルヴィンとルビーがドライブ

Nick Urata - Inseparable
https://www.youtube.com/watch?v=9WlQdCjJKcQ
カルヴィンなしでは生きていけなくなったルビー


ラブソングができるまで

2007年/米
監督:マーク・ローレンス
音楽:アダム・シュレシンジャー
主演: ヒュー・グラント/ドリュー・バリモア/ヘイリー・ベネット 他


・アレックスは、1980年代に一世を風靡したバンド『PoP』のボーカル。
しかし、あの栄光の日々はどこへやら?すっかり落ち目となり、やさぐれている。
時折オファーが来ても、テーマパークや同窓会での、いわゆる“前座”を頼まれるぐらい。
本当は蹴ってやりたい仕事だが、生活のため引き受けるしかないという、悲しい日々を送っていた。
そんなアレックスにビッグチャンスが舞い込むことになった。
全米で大人気のカリスマ歌姫コーラ・コーマンが、アレックスに「新曲を作ってほしい」とオファーしたのであった。
・コーラの事務所を訪れたアレックス。
仕事内容を聞くと、「新曲を作ってほしい。2週間後の自身のコンサートで披露したい」
コーラが曲を覚える期間を差し引くと、アレックスが曲を制作できる期間はわずか1週間しかない。
さらに同様のオファーを他にも振っており、アレックスが作曲を提供しても採用されるかどうかは不明とのこと。
「それでも引き受けてくれますか?」と尋ねるコーラ。
タイトなスケジュールかつ無駄に終わるかもしれない仕事だが、引き受けない理由が無い為、アレックスは「やります」と即答。
・アレックスは作曲家であって、歌詞は作れない。そのため、歌詞は現在ブレイク中のグレッグにオファー。
制作期間はわずか1週間の為、アレックスはグレッグに「歌詞はまだか!?歌詞はまだか!?」と急かす💧
グレッグは腰を据えて歌詞を作りたい派であり、「そんなに早くできない」と怒るが、アレックスは「まだか?まだか?」と聞いちゃいない。
二人の意見は合わないが、一応プロで仕事はする。曲も歌詞も完成し、さっそくハーサルをすることに。
・アレックスが作った曲に乗せ、歌詞を作ったグレッグが実際に歌う。
するとまた違った視点が生まれ、『曲に歌詞が合わない』という珍現象が起こった。
アレックスはグレッグに歌詞の修正を依頼するが、現在ブレイク中のグレッグが作った歌詞について、いまや落ちぶれたアレックスにダメ出しなんかされたくない(そりゃそうだ)。
首を縦に振らないグレッグに頭を悩ますアレックス。
その時、ピアノのメロディに合わせて、植木の水やりにやってきた女性ソフィーが、何気なしに独自に作った歌詞を口ずさんだ。
『一目惚れ』ならぬ『一聴惚れ💓』で、その歌詞はアレックスの胸に刺さり、彼女の作詞家の才能を見出したのである。
アレックスはソフィーに楽譜を渡し、歌詞を依頼。それを目にしたグレッグはプライドを傷つけられ、怒って辞めてしまったのであった。
・乗り気ではないソフィーだが、ソフィーの姉ロンダが物好きにも『PoP』バンドのアレックスの大ファンであり、話を受けるよう推し、ソフィーは渋々引き受けることに。
実はソフィーはもともと作家志望であったが、大学講師と破局後、自分との交際について講師が勝手に赤裸々なドキュメンタリー本にしてしまい、なんとそれがバカ売れしてしまった💥
講師は人気作家になり、ソフィーはプライベートを暴露され、本であれ曲であれ、『書く』という行為そのものが嫌になったのであった。
・コーラが指定した期日になんとか曲が完成し、晴れてその曲が見事採用されて、アレックスとソフィーは大喜び。
曲を作り上げる過程で、いつしか二人の仲も親密になっていた。
さて、『歌声がソフィーのピアノ曲』。それをコーラが歌うとこうなります!完成形を見せられたアレックスとソフィーは唖然。
全く違うアレンジに変更されており、リズムやメロディの名残も感じられないほど変わり果ててしまっていたのである。
もはや歌詞だけ残った別の曲💦になり果てており、「私はこのメロディに合う歌詞を付けたのよ!」とソフィーは大激怒💢
アレックスも当然意義を申し出るかと思いきや‥‥「いやぁ良いですねぇ♪斬新です」とべた褒め。
とりあえず自分の名前がコンサートで紹介されりゃ良いアレックスは、ここで反論してコーラが不採用とすることを避けたのである。
ソフィーは「貴方にはプライドは無いのか?」と呆れ、恋に発展する間際の段階にして、二人は別れてしまう。

・後日、ソフィーがフロリダへ発つと聞かされたアレックスは、ソフィーを好きになっていた自分に気づいた。
共に曲作りをしていた日々は最高の思い出で、今後も一緒に行いたいと思った。
アレックスはソフィーを振り向かせるべく、コーラと共にある作戦を行うことになる。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

PoP! Goes My Heart - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=xVkU8dDSC9w
冒頭のダサいPV(あくまでも、映画内で“ダサい”という設定であり、あしからず…)

Buddha's Delight - Haley Bennett
https://www.youtube.com/watch?v=iWVbegiAus8
コーラの曲

Meaningless Kiss - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=HEopBpxkYPs
87年度卒業生同窓会でアレックスが歌う

Love Autopsy - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=YUdWgqyq1rk
歌詞は出来ないと否定するソフィーに、「すでに書いてもらった」と、即興でピアノ演奏するアレックス

Way Back Into Love (Demo Version) - Hugh Grant and Drew Barrymore
https://www.youtube.com/watch?v=NsOCEpeIcx8
アレックスとソフィーが作った歌〜2人のデモテープ(楽曲として、録り直されている)

Dance With Me Tonight - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=xq6b3ra2KpA
遊園地で白けた観客相手に、契約上、アンコールを歌わされるアレックス

Forever In Your Mind - Shake Your Booty
https://www.youtube.com/watch?v=dItmfeuzUsM
腰フリダンスを教えるアレックス

Slam - Haley Bennett
https://www.youtube.com/watch?v=TgJ2OKkcMqQ
コーラの曲

Don't Write Me Off - Hugh Grant
https://www.youtube.com/watch?v=ek1ChakOD7E
アレックスが、ソフィーに向けて歌う

Way Back Into Love - Hugh Grant and Haley Bennett
https://www.youtube.com/watch?v=m3Ztq2hu5Kg
アレックスとソフィーが作った歌

Work To Do - America
https://www.youtube.com/watch?v=2xmFzzG_Odo
ED2曲目