1952年/米
・昔、あるところにシンデレラという名の少女がいた。母親は既に他界している。
父親は再婚したのだが、その女性には2人の連れ子がいた。
だが再婚した矢先、今度は自分が亡くなってしまう。
跡を継ぐことになった継母は本性を現し、屋敷も財産も独占し、シンデレラを召使のように利用した。
なんで‥‥父親はこの女性と結婚したんだろうか?彼女のどこに惹かれたのか意味不明である。
とても理不尽な扱いだが、シンデレラは反抗することはせず、すべてを受け入れていた。
普通だったら病んでしまうが、シンデレラには家に住まう動物たち(鳥やネズミ)と仲良しで、特にネズミのジャックとは親友の仲だった。
・ある日、国の行く末を憂える国王がいた。可愛い孫が欲しと願っている国王。しかし、息子(王子)は適齢期を過ぎてもなかなか結婚しようとしない。
そんな王子を見かねた国王は、見合いを兼ねた舞踏会を思いつき、早速企画。
王子と同年代の女性は全員招待され、当然その招待状はシンデレラ宅にも届いた。
継母は、我が子をぜひに!と張り切りだす。娘たちも王子の妃になるため、何着ていこうかとテンション爆上がり。
シンデレラは、「私にも資格はありますよね?」と継母に頼んだ。
すると継母は、家の仕事を完ぺきにこなし、かつ舞踏会に着ていくドレスがあるなら、連れてってあげると約束してくれた。
娘たちは、シンデレラが舞踏会に行くことを快く思っていない様子で、継母に「どうしてあんなことを言ったの?」と突っかかる。
しかし継母は、シンデレラに次々に仕事を命じることで、ドレスを仕立てる時間を失くしてやればいいと嘲笑ったのだった。
事実、いつもの倍以上働かされたシンデレラは、時間に追われて結局ドレスを仕立てることができず、落胆する。
しかし‥‥なんと友達の動物たちが、家じゅうから材料をかき集め、流行りのドレスに仕立ててくれたのだった。
シンデレラは、亡くなった継母が遺してくれたドレスが時代遅れだと嘆いていたが、そんなに変なドレスじゃなかったし、シンデレラなら何着ても似合うと思う。
舞踏会の夜。動物たちが作ってくれたドレスに感動するシンデレラ。
小躍りしながら「私も連れてって」と頼むシンデレラに、継母と娘2人はいやな顔を見せる。
しかし継母は、シンデレラのドレスの装飾品が娘のものと気づき、わざと娘に見せて気づかせ‥‥ドレスをびりびりに破かせた。
さすがにこんな仕打ちを受けたらキレてしまいそうだが、シンデレラは言い返すことなく、ただただ泣くのであった。
・自分の不幸を嘆くシンデレラに、妖精のゴッドマザーが現れる。
歌いながら魔法をかけるゴッドマザー。ネズミは馬に‥‥かぼちゃは馬車に‥‥ドレスは美しい純白へと変身。
余談だが、原作ではゴッドマザーが魔法で変化させたのは『馬・馬車・御者・ドレス』で、靴は『渡した』となっており、ゴッドマザーの私物。そのために12時を過ぎても消えなかったとされている。
遅れて舞踏会にやってきたシンデレラ。さきほどまであくびをしていた王子も、シンデレラの美しさに一目ぼれ。
周りの女性たちも、シンデレラの美しさに見惚れ、きっとどこかのお姫様だと思っていた。
継母たちも、「どこかで見たような‥‥」と首をかしげている。
おいおい毎日見ているだろうが!と突っ込みを入れたくなるが、原作では、シンデレラは薄汚れた日の当たらぬ地下の納屋にいて、顔は常時灰と煤で顔が汚れていたとされる(シンデレラ=灰かぶり)
そこまでこき使う継母と義娘がひどすぎる。
・シンデレラと王子は夢中で踊り、時がすぎるのも忘れるほどだった。
12時の鐘が鳴り、慌てて城を飛び出すシンデレラ。
鐘が鳴った時点で既に12時だと思うが‥‥まあいいか💦『12時まで』だから12時1分未満ならセーフか?
階段を駆け下りる途中、靴が脱げてしまう(転ばなくてよかったね)。慌てて取りに戻ろうとするが、王子が後を追ってきた為、諦めてしまう。
・王子は、一緒にダンスを踊った女性を探すため、ガラスの靴がぴったり合う女性を探すよう命じた。
家来はガラスの靴を手にし、国中の娘に履かせているが、サイズが合う娘は見つからない。
国中の女性が履けない靴。よほど小さいって一体‥‥。原作だと、20〜21pだそう。
でも仮に‥‥シンデレラに順番が回ってくる前に履ける女性がいたら、果たして王子はその娘と結婚するのだろうか?所詮、靴さえ合えば良いんだろうか?
本気で結婚したいなら、面倒でも王子も同行するべきだと思うけど。
・シンデレラの屋敷にも、家来が到着。
2人の娘は我先にと靴を試すが、履くことができない。
シンデレラはどうしているかというと‥‥何気なしに口ずんだ歌を継母が聞いており、その歌声によって、シンデレラこそが王子が探している娘だと気づいてしまい、ショックを受けるのだった。
ただ、要するに靴を履かせなければいいじゃんと‥‥シンデレラを部屋に閉じ込めて鍵をかけてしまうのであった。
もしここでシンデレラが飛ばされて、他の人に靴が合った場合、王子はどうするんだろう。結婚するのか?靴さえ合えば良いのか?
仮に、誰にも靴が合わなかった場合、一からやり直すのだろうか?
原作はかなり残酷な話で、靴が合わない娘たちは、踵やつま先を斬ってでも靴を履こうとする(執念がすご過ぎ)。
靴から血が滴っているのがバレて、結局『靴は合わなかった』となり、踵やつま先を失った娘たちは歩行障害に悩まされることとなる。
それだけでも気の毒だが、そこへ鳥がやってきて継母と娘の目を潰してしまい、盲目かつ歩行障害で日常生活が困難になるほどの報復を受けることになってしまうのである。
確かにシンデレラは下働きをさせられてはいたが、身体的虐待は一切していない。なので、そこまでの仕打ちを受けるほどの罪を犯したのだろうか‥‥とも思う。
なお『シンデレラ』には後日談があり、その中でもアナスタシアの恋物語はとても興味深い。
母親は、娘2人を上流階級の男に嫁がせようと画策するが、アナスタシアが好きになったのはパン屋の男性だった。
それを知った継母は別れるよう指示し、アナスタシアは言われるまま男の元を去るが、男のことが忘れられなかった。
するとシンデレラはアナスタシアに、「好きなら好きなままでいるように」「いつか幸せになれる」と背中を押すのである。
あれだけひどい目に遭わされたのに、恨むことなく、アナスタシアのために協力できるシンデレラがすてきである。
シンデレラ
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ダイナソー
2000年/米
制作:ディズニー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
声:D・B・スウィーニー/ジュリアナ・マルグリーズ/アルフレ・ウッダード 他
6500万年前。
田舎の猿が暮らす村に、変なボールが流れてきた。
哺乳類で卵の存在をしらない猿達はボールを不審に思うが、割ってみると中から恐竜の赤ん坊が現れ、あまりの可愛さに母猿は抱き上げてしまう。
父猿は警戒して捨てるよう命じたが、赤ん坊の無垢な瞳に負けてしまい‥‥夫婦の猿は自分の息子として育てることを決意し、アラダーと名付けた(川上からどんぶらこ〜どんぶらこ‥‥なんだか桃太郎みたい)。
このアラダーだが、なぜだか実子よりも愛されている気がするのだが、気のせいか?
この夫婦にはれっきとした子猿がいるのだが、いつもアラダーアラダーとかわいがっているような💧
アラダーは、同時期に生まれた子猿達と成長する。
体格は全く違うものの『兄弟』として育ち、温厚な性格から皆に慕われていた。
夫婦もアラダーを自分の子どものように育ててているが、気がかりなことが一つ。
周りの猿たちは、近隣の猿と結ばれて子孫を残しているが、アラダーの場合、この猿の集落に留まっていたんでは、子孫を残す相手が皆無であるということだ💧
その為、アラダーは猿の集落から出て、恐竜の群れに戻したほうが幸せなのではないか?と夫婦は思うようになる。
そんな矢先、大きな何かが衝突。正体は隕石だが、隕石を知らないアラダー達は興味津々で落ちる“何か”を眺めていた。
それが衝突した瞬間、津波が押し寄せて火山は大爆発。
アラダー達は子猿や両親を背に乗せて、命からがら村から脱出する羽目に。
安全に暮らせる場所を探している道中、草食恐竜の群れに遭遇し、とりあえず一緒に付いていくことに決めた。
夫婦猿は、『アラダーは猿の集落から出て、恐竜の群れに戻したほうが幸せなのか?』と悩んでいたが、まさか自分らもろとも猿の集落から離れ、恐竜の群れに半強制的に入ることになるなんて‥‥人生何が起こるかわかんないな(;^ω^)。
群れのリーダーはクローン。付いていけない者は切り捨てるという、まさに弱肉強食で鬼のようなリーダー。
水があると言われる『楽園』を探しているのだが、歩いても歩いても、水など無い。
しかし、どこかにあるとクローンは信じて群れを率いていたが、根拠無く当ての無い旅に皆は心身ともに疲れ、クローンに不信感を抱く者も出始めた。
そんな時、偶然にも新参者のアラダーが水を発見してしまい(気まずすぎる)、クローンの面目は丸つぶれ。険悪なムードになってしまった💥
更に、クローンの指示によって単独で水を探していたブルートンが、結局「水はありませんでした」と報告しに帰ってきたときには、既にアラダーが水を発見していて恥をかかされたというのに、なんと肉食恐竜に尾行されており‥‥恥の上塗りをされたクローンはブルートンを『役立たず』と罵ったのである。
アラダーは、よせばいいのにブルートンを慰めてしまい、余計にクローンの怒りを買ってしまう。
そもそも新参者の若いアラダーが、年長者で副隊長クラスのブルートンを慰めて良い立場なのか?私でも、何様だよ!ってムカつくぞ。
旅の道中、ニーラと良い仲になるアラダー。
夫婦猿は、この2頭を引っ付けようと模索する。
しかしこのニーラ、実はクローンの妹である。
アラダーを快く思わないクローンは、ニーラに親しくするアラダーをますます嫌悪するようになる。
しかし、ニーラはアラダーにすっかり心を許し、クローンに「彼は良い人よ」と説得するのだから面白くない。
クローンにとっては、唯一心を許せるのが妹だったのにね。それをアラダーに盗まれる形になって‥‥そりゃ腹立つわね。
傷心したブルートンを慰めている間に、群れから置いて行かれたアラダー達(何やってんだアンタ達)。
群れからはぐれたアラダー達を狙って、肉食恐竜達が襲ってきた。
急いで洞窟に逃げ込んだアラダー達。
逃げ暮れてしまった年老いた恐竜を助けようと、汚名を返上しようとブルートンが立ち向かい、犠牲になってしまう。
アラダーは、ブルートンの死を悲しむが、前を向くべきだと皆を先導し、洞窟の行き止まりを、脚で破壊して脱出する。
そもそも‥‥アラダーがブルートンを慰めている最中に群れから離脱したのが原因なんだけどね。
洞窟から脱出したら、そこには楽園が広がっていた。
アラダーは、群れをここに案内させようとするが、クローン達が通るであろうルートに肉食恐竜が待ち構えていることに気づいた。
このまま群れがここに来たら、鉢合わせになってしまう。
焦ったアラダーは急いで群れに戻り、皆に『楽園』を見つけたことを伝え、群れを先導するクローンに、ルートを変更するよう指示をする(あんた、リーダーかよ💦)。
クローンは、「俺が決めたこの道が正しい」と言い張って群れを先導するが、アラダーは「その道の先には肉食恐竜がいるからルートを変えるべき」と譲らない。
そして‥‥よせばいいのに、自分が群れを先導すると言い出し、クローンを無視して案内しようとする。
怒ったクローンは(私だって怒るよそりゃ💢)、群れの皆に、自分とアラダーのどちらを信じるかを尋ねた。
群れが出した結論は──「アラダーが正しい」。アラダーを新たなリーダーとして、アラダーについていくことになったのである(最悪😖)。
日米の考え方が如実に現れた作品だったと思います。
日本的な考えだと、まずは、これまで群れを率いてきたクローンの顔を立てて、いかにクローンのプライドを傷つけないよう立ち回り、群れを導いていくかになると思いますが、アメリカだと、年長者だろうが新参者であろうが関係なく、主張するべきという感じです。
https://amzn.to/3PBtvry
制作:ディズニー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
声:D・B・スウィーニー/ジュリアナ・マルグリーズ/アルフレ・ウッダード 他
6500万年前。
田舎の猿が暮らす村に、変なボールが流れてきた。
哺乳類で卵の存在をしらない猿達はボールを不審に思うが、割ってみると中から恐竜の赤ん坊が現れ、あまりの可愛さに母猿は抱き上げてしまう。
父猿は警戒して捨てるよう命じたが、赤ん坊の無垢な瞳に負けてしまい‥‥夫婦の猿は自分の息子として育てることを決意し、アラダーと名付けた(川上からどんぶらこ〜どんぶらこ‥‥なんだか桃太郎みたい)。
このアラダーだが、なぜだか実子よりも愛されている気がするのだが、気のせいか?
この夫婦にはれっきとした子猿がいるのだが、いつもアラダーアラダーとかわいがっているような💧
アラダーは、同時期に生まれた子猿達と成長する。
体格は全く違うものの『兄弟』として育ち、温厚な性格から皆に慕われていた。
夫婦もアラダーを自分の子どものように育ててているが、気がかりなことが一つ。
周りの猿たちは、近隣の猿と結ばれて子孫を残しているが、アラダーの場合、この猿の集落に留まっていたんでは、子孫を残す相手が皆無であるということだ💧
その為、アラダーは猿の集落から出て、恐竜の群れに戻したほうが幸せなのではないか?と夫婦は思うようになる。
そんな矢先、大きな何かが衝突。正体は隕石だが、隕石を知らないアラダー達は興味津々で落ちる“何か”を眺めていた。
それが衝突した瞬間、津波が押し寄せて火山は大爆発。
アラダー達は子猿や両親を背に乗せて、命からがら村から脱出する羽目に。
安全に暮らせる場所を探している道中、草食恐竜の群れに遭遇し、とりあえず一緒に付いていくことに決めた。
夫婦猿は、『アラダーは猿の集落から出て、恐竜の群れに戻したほうが幸せなのか?』と悩んでいたが、まさか自分らもろとも猿の集落から離れ、恐竜の群れに半強制的に入ることになるなんて‥‥人生何が起こるかわかんないな(;^ω^)。
群れのリーダーはクローン。付いていけない者は切り捨てるという、まさに弱肉強食で鬼のようなリーダー。
水があると言われる『楽園』を探しているのだが、歩いても歩いても、水など無い。
しかし、どこかにあるとクローンは信じて群れを率いていたが、根拠無く当ての無い旅に皆は心身ともに疲れ、クローンに不信感を抱く者も出始めた。
そんな時、偶然にも新参者のアラダーが水を発見してしまい(気まずすぎる)、クローンの面目は丸つぶれ。険悪なムードになってしまった💥
更に、クローンの指示によって単独で水を探していたブルートンが、結局「水はありませんでした」と報告しに帰ってきたときには、既にアラダーが水を発見していて恥をかかされたというのに、なんと肉食恐竜に尾行されており‥‥恥の上塗りをされたクローンはブルートンを『役立たず』と罵ったのである。
アラダーは、よせばいいのにブルートンを慰めてしまい、余計にクローンの怒りを買ってしまう。
そもそも新参者の若いアラダーが、年長者で副隊長クラスのブルートンを慰めて良い立場なのか?私でも、何様だよ!ってムカつくぞ。
旅の道中、ニーラと良い仲になるアラダー。
夫婦猿は、この2頭を引っ付けようと模索する。
しかしこのニーラ、実はクローンの妹である。
アラダーを快く思わないクローンは、ニーラに親しくするアラダーをますます嫌悪するようになる。
しかし、ニーラはアラダーにすっかり心を許し、クローンに「彼は良い人よ」と説得するのだから面白くない。
クローンにとっては、唯一心を許せるのが妹だったのにね。それをアラダーに盗まれる形になって‥‥そりゃ腹立つわね。
傷心したブルートンを慰めている間に、群れから置いて行かれたアラダー達(何やってんだアンタ達)。
群れからはぐれたアラダー達を狙って、肉食恐竜達が襲ってきた。
急いで洞窟に逃げ込んだアラダー達。
逃げ暮れてしまった年老いた恐竜を助けようと、汚名を返上しようとブルートンが立ち向かい、犠牲になってしまう。
アラダーは、ブルートンの死を悲しむが、前を向くべきだと皆を先導し、洞窟の行き止まりを、脚で破壊して脱出する。
そもそも‥‥アラダーがブルートンを慰めている最中に群れから離脱したのが原因なんだけどね。
洞窟から脱出したら、そこには楽園が広がっていた。
アラダーは、群れをここに案内させようとするが、クローン達が通るであろうルートに肉食恐竜が待ち構えていることに気づいた。
このまま群れがここに来たら、鉢合わせになってしまう。
焦ったアラダーは急いで群れに戻り、皆に『楽園』を見つけたことを伝え、群れを先導するクローンに、ルートを変更するよう指示をする(あんた、リーダーかよ💦)。
クローンは、「俺が決めたこの道が正しい」と言い張って群れを先導するが、アラダーは「その道の先には肉食恐竜がいるからルートを変えるべき」と譲らない。
そして‥‥よせばいいのに、自分が群れを先導すると言い出し、クローンを無視して案内しようとする。
怒ったクローンは(私だって怒るよそりゃ💢)、群れの皆に、自分とアラダーのどちらを信じるかを尋ねた。
群れが出した結論は──「アラダーが正しい」。アラダーを新たなリーダーとして、アラダーについていくことになったのである(最悪😖)。
日米の考え方が如実に現れた作品だったと思います。
日本的な考えだと、まずは、これまで群れを率いてきたクローンの顔を立てて、いかにクローンのプライドを傷つけないよう立ち回り、群れを導いていくかになると思いますが、アメリカだと、年長者だろうが新参者であろうが関係なく、主張するべきという感じです。
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| 日記
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ツレがうつになりまして
2011年/日
監督:佐々部清
原作:細川貂々
主演:宮アあおい/堺雅人/吹越満 他
・スーツを着た男性、通称「ツレ」が、自身のお弁当を作っている。
昨夜もまた眠れなかったようだ。一方、妻の「ハルさん」はまだ寝ている。
結婚5年目、ツレは超が付くほどの几帳面。ゴミ捨て場のゴミを見つめて、何か想いを馳せていた。
・ツレの業種は、サポートセンターに近い。
機械が動かない・壊れた・使えないだの、客のクレームに対して、真摯に対応するのが仕事である。
こういう仕事はストレスたまりそうだ‥‥。私もサポートとか時々受けるけど、明らかに自分の責任なのに、堂々と「パソコンが変」って言うんですよね。変なのはお前だろ!って‥‥言えないけど(汗)。
ハルさんは漫画家。アンケートの結果が悪くて、来月号で打ち切りになってしまうらしく、落ち込んでいた。
漫画家って自由気ままな仕事に思えるが、漫画家ってムチャクチャ大変ですよ。
私が時々アシしている漫画家は連載7本抱えているが、時々電話口で編集と大喧嘩している。
アニメ化もされているけど(観たこと無いけど)、アニメ化すると嬉しい半面、これが意外と厄介なんだそうで‥‥。
子どもの頃は漫画家になりたかったけど、現実知ったら‥‥無理って思ったな。
でも不思議なことに「アンタの仕事は私には無理」と言われることもあって‥‥どんな職業を選んだとしても、結局『楽な仕事は無い』ってことなんだろう。
・ツレは昼休みになっても、先ほど受けたお客さんからのクレームの件で凹んでいた。
同僚もツレと同じ業務をしているが、「パソコンが使えないって、そんなのビルゲイツに言ってもらわないとねぇ」と笑っている。そして、そういうクレームを言うやつに限って、説明書なんてろくに読んではいないと笑っていた。
でもツレは、客の悪口は言わないよう窘める。客を責めるより前に、万人に理解できない説明書が悪いのだと言う。どうやらツレは、責任感が強すぎるみたいだ。
食欲がなく、同僚にお弁当をあげてしまう。同僚もツレと同じく客からクレームを受けている身だが、受け流せるタイプらしくいちいち気にしていないようである。
・翌朝、突然ツレがナイフを持ち、「死にたい」とハルさんに呟いた。ハルさんはその言葉に驚くも「こんなナイフじゃ死ねないよ」とキッパリ突っぱね、最近どこかおかしいから病院に行くように勧めるのであった。
病院に行ったところ「うつ病」と診断され、自分でも心の変調を感じていたらしく妙に納得するのであった。
ツレは心の変調より『頭痛/背中の痛み』を主に訴えていたが、それは『仮面うつ病』というものである。
仮面は直訳なので、お面ではなく『マスキング』が相応しい。マスキングシートというのがあるが、心の変調なのに体の変調が前面に出てしまうことによってマスキングされ、見えにくくなってしまっている状態である。
・うつ病は誰にでも起こりうる普通の病なので、あまり特別視はしないほうがいい。しかし、「うつ病になってごめん」とツレは言い、ハルさは「気づかなくてごめん」と謝ってしまう。
ツレは自分を奮い立たせて会社に行こうとするが、電車に乗ることが出来ず、駅のトイレで吐いてしまう。
わけもわからず何かに急き立てられ焦っているような気分になり、会社に着いたそうそう社長の前で「僕、うつ病なんです」と言ってしまう。
一瞬空気が凍り付く社内だが、病気の宣言にはタイミングというものがあり、業務中にサラリと言うものでない。軽い場面での発言は軽く返されてしまう。案の定「この仕事量なら、みんなうつ病みたいなもんだよ」と返されて、それで終わってしまった。
・ハルさんは、ツレをうつ病にさせた会社なんか辞めてしまえ!と言い、辞表を出させる。
うつ病の病気の特徴として、一度やめるとドンドン嫌な事からやめ始め、食べるのをやめる→外出をやめる→人間関係をやめる→最悪自分の人生をやめるという極端な結論を招くケースもあるので、一般的に仕事は辞めるのではなく『休職』とするのが一般的なようですね。
・医者に日記を書くよう勧められたが、ネガティブな事しか書けない。でも、これは『認知行動療法』と言ってとても理にかなっています。
ストレスが溜まって頭の中で悶々と考えても解決策が見つからない場合、紙に書くと意外と解決策が見つかったり、例え解決策が見つからなくてもそれを紙で見ることによって「考えても無駄」「考えるだけ損」と思えるようになったりもするとか。
・ツレが無職になってしまったので、ハルさんが働かなくてはいけない。読者アンケートが悪く打ち切りなってしまうハルさんは焦り、「ツレがうつになりまして‥‥仕事をください!」と大声で頼み込んだ。
その発した声により、自己啓発本の挿絵を描くよう頼まれた。
しかし、仕事を受ければ当然『締め切り』というものがある。締め切り間近でピリピリしていたハルさんだが、ツレはハルさんの“話しかけるなオーラ”に気づかず、どうでもいい細かい指摘を延々と口にしてキレられてしまう。
ツレはシュンとなってしまいその場を去るが‥‥自分の全てを否定されたような気持になってしまったのか、お風呂で首を吊ろうとしてしまい、異変を感じたハルさんに発見されて事なきを得る。
自分は不要であり、居ても迷惑をかけるだけだと泣くツレに、ハルさんはただただ謝り続けるのであった。
映画化される以上多少の脚色はありますが、実話をもとにしている以上、本当に誰にでも起こりうる出来事として、共感して心配してしまう‥‥そんな作品でした。
監督:佐々部清
原作:細川貂々
主演:宮アあおい/堺雅人/吹越満 他
・スーツを着た男性、通称「ツレ」が、自身のお弁当を作っている。
昨夜もまた眠れなかったようだ。一方、妻の「ハルさん」はまだ寝ている。
結婚5年目、ツレは超が付くほどの几帳面。ゴミ捨て場のゴミを見つめて、何か想いを馳せていた。
・ツレの業種は、サポートセンターに近い。
機械が動かない・壊れた・使えないだの、客のクレームに対して、真摯に対応するのが仕事である。
こういう仕事はストレスたまりそうだ‥‥。私もサポートとか時々受けるけど、明らかに自分の責任なのに、堂々と「パソコンが変」って言うんですよね。変なのはお前だろ!って‥‥言えないけど(汗)。
ハルさんは漫画家。アンケートの結果が悪くて、来月号で打ち切りになってしまうらしく、落ち込んでいた。
漫画家って自由気ままな仕事に思えるが、漫画家ってムチャクチャ大変ですよ。
私が時々アシしている漫画家は連載7本抱えているが、時々電話口で編集と大喧嘩している。
アニメ化もされているけど(観たこと無いけど)、アニメ化すると嬉しい半面、これが意外と厄介なんだそうで‥‥。
子どもの頃は漫画家になりたかったけど、現実知ったら‥‥無理って思ったな。
でも不思議なことに「アンタの仕事は私には無理」と言われることもあって‥‥どんな職業を選んだとしても、結局『楽な仕事は無い』ってことなんだろう。
・ツレは昼休みになっても、先ほど受けたお客さんからのクレームの件で凹んでいた。
同僚もツレと同じ業務をしているが、「パソコンが使えないって、そんなのビルゲイツに言ってもらわないとねぇ」と笑っている。そして、そういうクレームを言うやつに限って、説明書なんてろくに読んではいないと笑っていた。
でもツレは、客の悪口は言わないよう窘める。客を責めるより前に、万人に理解できない説明書が悪いのだと言う。どうやらツレは、責任感が強すぎるみたいだ。
食欲がなく、同僚にお弁当をあげてしまう。同僚もツレと同じく客からクレームを受けている身だが、受け流せるタイプらしくいちいち気にしていないようである。
・翌朝、突然ツレがナイフを持ち、「死にたい」とハルさんに呟いた。ハルさんはその言葉に驚くも「こんなナイフじゃ死ねないよ」とキッパリ突っぱね、最近どこかおかしいから病院に行くように勧めるのであった。
病院に行ったところ「うつ病」と診断され、自分でも心の変調を感じていたらしく妙に納得するのであった。
ツレは心の変調より『頭痛/背中の痛み』を主に訴えていたが、それは『仮面うつ病』というものである。
仮面は直訳なので、お面ではなく『マスキング』が相応しい。マスキングシートというのがあるが、心の変調なのに体の変調が前面に出てしまうことによってマスキングされ、見えにくくなってしまっている状態である。
・うつ病は誰にでも起こりうる普通の病なので、あまり特別視はしないほうがいい。しかし、「うつ病になってごめん」とツレは言い、ハルさは「気づかなくてごめん」と謝ってしまう。
ツレは自分を奮い立たせて会社に行こうとするが、電車に乗ることが出来ず、駅のトイレで吐いてしまう。
わけもわからず何かに急き立てられ焦っているような気分になり、会社に着いたそうそう社長の前で「僕、うつ病なんです」と言ってしまう。
一瞬空気が凍り付く社内だが、病気の宣言にはタイミングというものがあり、業務中にサラリと言うものでない。軽い場面での発言は軽く返されてしまう。案の定「この仕事量なら、みんなうつ病みたいなもんだよ」と返されて、それで終わってしまった。
・ハルさんは、ツレをうつ病にさせた会社なんか辞めてしまえ!と言い、辞表を出させる。
うつ病の病気の特徴として、一度やめるとドンドン嫌な事からやめ始め、食べるのをやめる→外出をやめる→人間関係をやめる→最悪自分の人生をやめるという極端な結論を招くケースもあるので、一般的に仕事は辞めるのではなく『休職』とするのが一般的なようですね。
・医者に日記を書くよう勧められたが、ネガティブな事しか書けない。でも、これは『認知行動療法』と言ってとても理にかなっています。
ストレスが溜まって頭の中で悶々と考えても解決策が見つからない場合、紙に書くと意外と解決策が見つかったり、例え解決策が見つからなくてもそれを紙で見ることによって「考えても無駄」「考えるだけ損」と思えるようになったりもするとか。
・ツレが無職になってしまったので、ハルさんが働かなくてはいけない。読者アンケートが悪く打ち切りなってしまうハルさんは焦り、「ツレがうつになりまして‥‥仕事をください!」と大声で頼み込んだ。
その発した声により、自己啓発本の挿絵を描くよう頼まれた。
しかし、仕事を受ければ当然『締め切り』というものがある。締め切り間近でピリピリしていたハルさんだが、ツレはハルさんの“話しかけるなオーラ”に気づかず、どうでもいい細かい指摘を延々と口にしてキレられてしまう。
ツレはシュンとなってしまいその場を去るが‥‥自分の全てを否定されたような気持になってしまったのか、お風呂で首を吊ろうとしてしまい、異変を感じたハルさんに発見されて事なきを得る。
自分は不要であり、居ても迷惑をかけるだけだと泣くツレに、ハルさんはただただ謝り続けるのであった。
映画化される以上多少の脚色はありますが、実話をもとにしている以上、本当に誰にでも起こりうる出来事として、共感して心配してしまう‥‥そんな作品でした。
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