2001年/日
監督:宮崎駿
音楽:久石譲
・親の仕事の都合により、慣れ親しんだ土地から引っ越すことになってしまった荻野千尋。
子どもは親に従うしかないものの、車の後部座席で憮然と寝転んでおり、何やら不満を抱えていそうだった。
道中、道に迷ってしまい、道なき道を進ませた先に、少し開けた場所に出た。
どこか懐かしい景色に惹かれ、両親と千尋は車を降りて散策に出かけ、怪しいトンネルをくぐってしまう。
・トンネルの向こうは‥‥何やら異国風の看板がいたるところに掲げられている、いわば『繁華街』。
各店には美味しそうな食事が並んでおり、両親は、店主の了解も無しにバクバクと勝手に食べてしまう。
千尋は食べなかったが、物珍しい繁華街を散策。すると、ハクという謎めいた少年に出会った。
ハクは千尋を見るなり血相を変え、すぐにこの場所から去るように告げ、なんだか怖くなった千尋が両親の元へ行くと‥‥両親は豚に姿を変えられており、千尋は驚愕する。
『刻』が変わり、今まで無人だった店に店主が湧きだすように現れ、豚と化した両親は鞭を打たれてしまうのであった。
・何が起きたのか分からず困惑する千尋に、ハクは助け舟を出してくれた。
この世界で生きていくためには仕事をしないといけないと告げ、湯屋で働くリンを仲介として、湯屋の主人(管理人かな?)である湯婆婆と面会することになる。
最初は門前払いだった湯婆婆だが、千尋は負けずに「働かせて」と大声で連呼し、その大声により、湯婆婆が溺愛する坊が癇癪を起こしてしまったため、千尋を黙らせるために渋々湯屋で働くことを了承してしまう。
ただ、萩野千尋という名前は湯屋で働くにいは贅沢だからと、「千」と名乗るよう命じ、名前を封じられてしまう。
その日の夜は、湯屋の一員となったために仕事着に着替えた千だが。布団に入ったが眠れるはずもなかった。
・翌日、千はハクと会い(今のところ、千が頼れるのはハクだけ)豚に姿を変えられた両親に会いに行った。
まるで、家畜のように養豚場に居る両親。人間だった頃の記憶は無いのか、千を見ても何の反応も無かった。
千は涙を流し、必ず両親を助け出すと誓うのであった。
豚に姿を変えられていない千は、ここに来る前の記憶が全て残っているのか‥‥と思えば、実はそうではなかった。
湯屋で働く前の服を返してもらい、ポケットに入れていたカードの名前の『萩野千尋』を見ても、しばらくピンとはこなかった。
しかし‥‥それが自分の名前だった事を思い出す(知らん間に記憶消されるの怖いな)。
自分の名前を忘れるということは、すなわち湯婆婆に支配されることを意味していた。
現にハクは元の名前を忘れてしまったため、湯婆婆に支配され、この世界から抜け出せずにいるのだという。
この世界の住民って、誰もが千尋みたいに、もともとの住人ってわけじゃないのかな?
でも、リンはこの世界に慣れてる感じだけど‥‥ようわからん。
・湯屋で仕事をする千尋。失敗を繰り返しながらも、目の前の仕事と誠実に向き合い、なんとかこなしていく。
桶の水を捨てようとした時、雨の中、面をかぶった変な生き物がずぶ濡れで突っ立っているのを見つける。
部屋に招き入れようとするが、入ってくる気配はない。
仕事中の千は「ここ開けときますね」と、要は「入りたいなら入ってきて良いですよ」と、その場から立ち去ってしまう。
・どうやらこの湯屋は、神様が疲れを癒す『銭湯』の役割を担っているようである。八百万の神がうじゃうじゃ引き締めき合っている様は観ていて面白く、海外では理解不能らしいが、それが不思議で神秘で魅力的らしい(神様は“一人”だからね)。
考えさせられたのは、川の神様。
「くされ神」としてやってきて、誰もが疎ましく思っていた。湯婆婆は新人の千に接客を押し付け、自分は傍観者になろうとする。
千は文句も言わず、誠実に接客する中で、「くされ神」の背に棘が刺さっていることに気づいた。
それをひっこ抜くと‥‥自転車や洗濯機などがゾロゾロ。
「くされ神」は、実は河の神。人間の手によって不法投棄され、水流がせき止められてしまったため、ヘドロが蓄積し汚れてしまった川だった。
河の神をここまで汚らしくしてしまったのは、人間だった。
「くされ神」は礼として、千に団子を手渡して去っていった。
そして、湯屋にも大量の砂金を残していったのである。湯婆婆は、客を丁重にもてなした千を褒め称えたのであった。
・翌朝、なにやら騒々しい湯屋。ある客を皆総出で接客しているという。
砂金をバラまきながら酒を飲むその姿は、パッと見でもヤバい生き物で、到底『神』には見えないが、金を生み出してバラまいてくれるのだる。それも無限に──。
欲に溺れた湯屋の面々は、いかにも怪しい風体をした化け物(カオナシ)に疑問を持つこともなく、盲目的に豪華な料理を振る舞い、手から無限に湧き出る砂金に目を輝かせた。
しかし‥‥湯屋の一人が飲み込まれた瞬間、状況が一変する。
千と千尋の神隠し
| アニメ
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マイレージ、マイライフ
2009年/米
監督:ジェイソン・ライトマン
原作: ウォルター・カーン
主演:ジョージ・クルーニー/ヴェラ・ファーミガ/アナ・ケンドリック他
・中年男性ライアンの仕事は、役に立たない人にリストラ宣告を告げる、いわばプロの『解雇宣告人』だ。
1年の大半は出張で、1か月弱だけ賃貸のマンションで暮らしている。
『我が家』と呼べる場はなく、もし呼ぶとしたら空港とかもしれない。とにかく家にいない。
超ミニマリスト。家族からも『いない人』扱いで、当然独身である。
・超ミニマリストのライアンにも、一応夢がある。それは航空会社のマイレージを貯めること。
電子マネーを貯めることが夢だなんて、言ってて悲しいものはあるが、ただひたすら貯め続けるということではない。
とりあえず1000万マイルを貯める。貯めて機長に会いたいと思っているのだ。
しかし、そんなライアンの生活を脅かす事態が起こった。
ある日、本社オマハに戻ったライアンは、社長が出した改革案に驚きを隠せなかった。
今度から解雇宣告はTV電話を通じて、リモートで行うというのだ。
リモートを使って解雇宣告をすれば、解雇宣告する為だけに他社に出向く必要が無くなり、往復の飛行機代の経費が浮く。
計算した結果、なんと85%もコストカットが出来る。なんで今までわざわざ出張して対面で解雇宣告していたのだろう。もっと早く導入すべきだったと悔やむのであった。
会社としては、85%もコストカットが出来るなら即採用案件だろう。
従業員も皆乗り気だ。飛行機の往復はぶっちゃけ疲れるし、出張せずにリモートで解雇宣告できるなら、楽ってもんだ。むしろ反対する理由が見つからない。
・その改革案に、猛反対したライアン。
対面することに意義があるんだ!リモート宣告は冷たい!顔を突き合わせないと見えないものがあるんだ!と『出張解雇宣告』を推しまくった。
ライアンにとっても、正直、解雇するのに対面だろうがリモートだろうがあまり大差ない‥‥とは思っている。
しかしリモートになってしまうと、自分のマイレージが貯まらなくなってしまうので、それを避けたいのだ。
ライアンは出張して対面での解雇を推しつづけ、「もしリモート宣告中に相手が怒ってログアウトしたらどうするんだ?」と不便さをアピールするが、仮に対面であっても、怒って部屋から出て行ってしまったら同じなわけだが💦
しまいには、『出張解雇宣告』の素晴らしさを直接見せてやりたいと、頼まれもしない教育係を名乗り出た(ライアンよ、そんなにマイル貯めたいか?っていうか、業務を私物化するな💢)
・ライアンは姉から、「挙式を控えている妹と婚約者のパネルを作りたいと思っているんだけど、そのパネルの背景を、ライアンが出張する先々での“有名な場所”にしたいのよ」とお願いされた。
妹の一生に一度の思い出だから、叶えてやりたい。そのためには、なんとしても『出張解雇宣告』を継続してもらわないとならないので、ライアンは教育係に熱を入れるのであった。
・しかし、アクシデントが発生する。
出張先でナタリーが解雇宣告をしたところ、説得に失敗してしまい、あわててライアンがフォローする羽目になってしまった。
続いての出張先では、解雇宣告に絶望した従業員から「橋から飛び降りて死んでやる!」と恨まれてしまう。
ライアンは、対面での解雇宣告にナタリーは向いていないと判断し、本当は反対していたが、リモートで解雇宣告をさせてみた。
すると今度は、あまりに機械的で事務的に対応をしてしまい、「もっと言い方があったのに‥‥」と、ナタリー自暴自棄に陥ってしまう(自暴自棄になりたいのは解雇された従業員でしょうが💧)。
ライアンは、解雇宣告が対面だろうがリモートだろうが、会社から『解雇されてしまう』相手にどこまで寄り添えるか、教育係になったのも何かの縁として、ナタリーに伝えるのであった。
挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)
This Land Is Your Land - Sharon Jones & The Dap-Kings (as Sharon Jones & The Dap-Kings)
https://www.youtube.com/watch?v=XQ78uDio_ao
OP
Goin' Home - Dan Auerbach (as Dan Auerbach)
https://www.youtube.com/watch?v=1fQ8WNjrxOY
タルサ国際空港
O.P.P. - Naughty By Nature
https://www.youtube.com/watch?v=6xGuGSDsDrM
アレックスを15年後の目標とするナタリー
Good Times - Chic
https://www.youtube.com/watch?v=eKl6EZShaaw
バーで、デイヴという男性と一緒に踊るナタリー
Bust A Move - Marvin Young (as Young MC)
Courtesy of Delicious Vinyl
https://www.youtube.com/watch?v=xy4FXhkm6Nw
アルファ・テク社に特別ゲストで呼ばれたYoung MC
Time After Time - Cyndi Lauper
https://www.youtube.com/watch?v=VdQY7BusJNU
酔ったナタリーがカラオケで歌う(原曲)
Angel in the Snow - Elliott Smith
https://www.youtube.com/watch?v=eoGMr5d120s
地理の教室に案内するライアン
Help Yourself - 'Sad Brad Smith'
https://www.youtube.com/watch?v=S0g4GAYRQE4
妹ジュリーの結婚式
Taken At All - Crosby Stills Nash & Young
https://www.youtube.com/watch?v=FlCp3Q5Kzrs
解雇宣告“ターミネーター”に法務部が難色を示す
Be Yourself - Graham Nash
https://www.youtube.com/watch?v=jWrtQOgOlHY
ED1曲目
Up in the Air - 'Kevin Renick'
https://www.youtube.com/watch?v=FtEhCTvQHgo
ED2曲目
監督:ジェイソン・ライトマン
原作: ウォルター・カーン
主演:ジョージ・クルーニー/ヴェラ・ファーミガ/アナ・ケンドリック他
・中年男性ライアンの仕事は、役に立たない人にリストラ宣告を告げる、いわばプロの『解雇宣告人』だ。
1年の大半は出張で、1か月弱だけ賃貸のマンションで暮らしている。
『我が家』と呼べる場はなく、もし呼ぶとしたら空港とかもしれない。とにかく家にいない。
超ミニマリスト。家族からも『いない人』扱いで、当然独身である。
・超ミニマリストのライアンにも、一応夢がある。それは航空会社のマイレージを貯めること。
電子マネーを貯めることが夢だなんて、言ってて悲しいものはあるが、ただひたすら貯め続けるということではない。
とりあえず1000万マイルを貯める。貯めて機長に会いたいと思っているのだ。
しかし、そんなライアンの生活を脅かす事態が起こった。
ある日、本社オマハに戻ったライアンは、社長が出した改革案に驚きを隠せなかった。
今度から解雇宣告はTV電話を通じて、リモートで行うというのだ。
リモートを使って解雇宣告をすれば、解雇宣告する為だけに他社に出向く必要が無くなり、往復の飛行機代の経費が浮く。
計算した結果、なんと85%もコストカットが出来る。なんで今までわざわざ出張して対面で解雇宣告していたのだろう。もっと早く導入すべきだったと悔やむのであった。
会社としては、85%もコストカットが出来るなら即採用案件だろう。
従業員も皆乗り気だ。飛行機の往復はぶっちゃけ疲れるし、出張せずにリモートで解雇宣告できるなら、楽ってもんだ。むしろ反対する理由が見つからない。
・その改革案に、猛反対したライアン。
対面することに意義があるんだ!リモート宣告は冷たい!顔を突き合わせないと見えないものがあるんだ!と『出張解雇宣告』を推しまくった。
ライアンにとっても、正直、解雇するのに対面だろうがリモートだろうがあまり大差ない‥‥とは思っている。
しかしリモートになってしまうと、自分のマイレージが貯まらなくなってしまうので、それを避けたいのだ。
ライアンは出張して対面での解雇を推しつづけ、「もしリモート宣告中に相手が怒ってログアウトしたらどうするんだ?」と不便さをアピールするが、仮に対面であっても、怒って部屋から出て行ってしまったら同じなわけだが💦
しまいには、『出張解雇宣告』の素晴らしさを直接見せてやりたいと、頼まれもしない教育係を名乗り出た(ライアンよ、そんなにマイル貯めたいか?っていうか、業務を私物化するな💢)
・ライアンは姉から、「挙式を控えている妹と婚約者のパネルを作りたいと思っているんだけど、そのパネルの背景を、ライアンが出張する先々での“有名な場所”にしたいのよ」とお願いされた。
妹の一生に一度の思い出だから、叶えてやりたい。そのためには、なんとしても『出張解雇宣告』を継続してもらわないとならないので、ライアンは教育係に熱を入れるのであった。
・しかし、アクシデントが発生する。
出張先でナタリーが解雇宣告をしたところ、説得に失敗してしまい、あわててライアンがフォローする羽目になってしまった。
続いての出張先では、解雇宣告に絶望した従業員から「橋から飛び降りて死んでやる!」と恨まれてしまう。
ライアンは、対面での解雇宣告にナタリーは向いていないと判断し、本当は反対していたが、リモートで解雇宣告をさせてみた。
すると今度は、あまりに機械的で事務的に対応をしてしまい、「もっと言い方があったのに‥‥」と、ナタリー自暴自棄に陥ってしまう(自暴自棄になりたいのは解雇された従業員でしょうが💧)。
ライアンは、解雇宣告が対面だろうがリモートだろうが、会社から『解雇されてしまう』相手にどこまで寄り添えるか、教育係になったのも何かの縁として、ナタリーに伝えるのであった。
挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)
This Land Is Your Land - Sharon Jones & The Dap-Kings (as Sharon Jones & The Dap-Kings)
https://www.youtube.com/watch?v=XQ78uDio_ao
OP
Goin' Home - Dan Auerbach (as Dan Auerbach)
https://www.youtube.com/watch?v=1fQ8WNjrxOY
タルサ国際空港
O.P.P. - Naughty By Nature
https://www.youtube.com/watch?v=6xGuGSDsDrM
アレックスを15年後の目標とするナタリー
Good Times - Chic
https://www.youtube.com/watch?v=eKl6EZShaaw
バーで、デイヴという男性と一緒に踊るナタリー
Bust A Move - Marvin Young (as Young MC)
Courtesy of Delicious Vinyl
https://www.youtube.com/watch?v=xy4FXhkm6Nw
アルファ・テク社に特別ゲストで呼ばれたYoung MC
Time After Time - Cyndi Lauper
https://www.youtube.com/watch?v=VdQY7BusJNU
酔ったナタリーがカラオケで歌う(原曲)
Angel in the Snow - Elliott Smith
https://www.youtube.com/watch?v=eoGMr5d120s
地理の教室に案内するライアン
Help Yourself - 'Sad Brad Smith'
https://www.youtube.com/watch?v=S0g4GAYRQE4
妹ジュリーの結婚式
Taken At All - Crosby Stills Nash & Young
https://www.youtube.com/watch?v=FlCp3Q5Kzrs
解雇宣告“ターミネーター”に法務部が難色を示す
Be Yourself - Graham Nash
https://www.youtube.com/watch?v=jWrtQOgOlHY
ED1曲目
Up in the Air - 'Kevin Renick'
https://www.youtube.com/watch?v=FtEhCTvQHgo
ED2曲目
| ドラマ
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ルビー・スパークス
2012年/米
監督:ジョナサン・デイトン
脚本: ゾーイ・カザン
主演:ポール・ダノ/ ゾーイ・カザン/ アネット・ベニング他
・小説家のカルヴィンは、若いながらもベストセラー作家であり、巷では『天才』とも言われていた。
最近ではスランプに苦しみ、見かねた兄から「恋人が出来ればきっと新たな作品が書けるよ」とアドバイスをされたが‥‥カルヴィンはコミュ障で根暗で、友達皆無だった。
自分に好意を持ってくれる女性は現れたことはあったが、彼女は自分の才能と印税に興味があるだけで、カルヴィン本人を好きなわけではなかった。
そういう事が何度か続いたあげく、<すっかり人間不信になってしまったカルヴィンは、現在は心療内科に通っている(可哀そうに)。
・ある日、精神科医はカウンセリングを兼ねてカルヴィンにこう提案する。「『あなたの飼い犬を可愛がる女性』の物語を書いてみなさい」
カルヴィンは気乗りしないまま、適当に1ページ書いて眠りについた。すると、その1ページの光景が夢のなかで忠実に再現されたのである。
夢の中の女性に好意を持ったカルヴィンは、女性を「ルビー・スパークス」と名付け、『カルヴィンの飼い犬とルビーの物語』を書き始めることにする。
・小説を書き始めてから、カルヴィンの周囲で奇妙なことが起こり始め、部屋に『女性の気配』がたびたび感じられるようになる。
ある朝、キッチンで朝食の支度をしているルビーの姿にカルヴィンは驚愕する。
心療内科に通ってはいるが、ついには幻覚まで見るようになってしまったのか──と落ち込むが、なんとルビーの姿は他の人にも見えていた。
ルビーは、カルヴィンが設定した通りの『姿・声・しぐさ』で語り掛け、カルヴィンは、彼女が『自分が具現化させた女性』と確信する。
兄はルビーを見るなり二人の恋を祝福するが、カルヴィンは彼女を『自分が造り出した偶像』だと説明する。
全く信じない兄に対し、カルヴィンはルビーの設定に『フランス語も話せる』と追加。物語内に「ルビーが流暢なフランス語で兄とカルヴィンに話しかける」と書き加えた。
すると、ルビーは流暢なフランス語で話しかけ‥‥兄もビックリ。
・ルビーの存在を気味悪がるカルヴィンに対して、兄は羨ましそうだった。「これってさぁ、設定のさせ方や物語の書き方次第で、自分を好きになってもらうことも出来るんだよな?」と、『理想の彼女』を造るよう提案(オイオイ💦)。
するとカルヴィンは大激怒。彼にとっては、夢の中で出会ったルビーが自分の中での最高の理想の女性であり、その女性が現実に出てきた。彼女に対し、これ以上望むものはない。それに、ルビーは操られるために自分の前に具現化されたのではないと断言したのだ。
その為物語は封印し、今の自分にとっての最高の彼女ルビーと共に過ごすことを決めたのである。
・カルヴィンはルビーを友達に紹介し、『俺の最高の彼女』と自慢しまくる。
ルビーは社会に出ることで自我が完全に確立し、見るもの触るもの全てを吸収し、純粋無垢なあくなき探求心で周りの人気者となっていく。
コミュ障で根暗なカルヴィンが、ルビーに話しかけてもらいたいと彼女に設定させた“社交的”な性格により、ルビーの行動範囲はドンドン広がり、いつしか『カルヴィンだけの彼女』から徐々に離れていきつつあったのだ。
カルヴィンは自分に戒めた禁を犯し、物語を取り出して‥‥つい、一言書き加えてしまう。
・月日が経つと、ルビーは更に行動範囲を広げ、絵画教室にも通い始め、そこで新たな友を持ち、いつしかカルヴィンと過ごす時間が無くなっていく。
カルヴィンが与えたルビーの初期設定『明るい・社交的・ポジティブ思考』のスペックが強すぎて、カルヴィン以外の男性らもルビーの事を好きになってしまい、ルビーもまんざらではない様子の為、カルヴィンは嫉妬してしまう。
ルビーを独り占めしたいカルヴィンは、ルビーの気持ちが離れそうになる度に、『ルビーはカルヴィンと一緒にいたくなる』『ルビーはカルヴィンと離れたくなくなる』『ルビーは‥‥』とドンドン書き加え、いつしかルビーを支配するようになる(ルビーを変える前に、なぜ自分の性格を変えようとしないんだ💥)。
・既に普通の女性と同じように生活しているルビーは、時折、自分の言動が自身の意に反している奇妙さに気づくようになってきた(ついにXデーがやってきたのだ!)。
最初のルビーの記憶は、カルヴィンの家のキッチンから始まっている。カルヴィンなら何か知っているかもしれないと、ルビーはカルヴィンに『自身の謎』について問いただすのだった──。
こんな女性がいたらいいな〜と脳裏に描いた女性が具現化される。果たしてそれは人間と言えるのか?
人間として、共に過ごすことはできるのか?
女性が自分の存在に気付いた時、生み出された女性は、自分を受け止めることはできるのか?
夢物語でありながら、コメディで、とても哲学的な話です。
カルヴィン目線でストーリーが進むため、女性がルビー目線で見てしまうと気の毒に思えてくるシーンがあるので注意が必要です。
挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)
Ca Plane Pour Moi - Plastic Bertrand
https://www.youtube.com/watch?v=xTo79sPCVXA
ゾンビ映画を観て盛り上がるカルヴィンとルビー。
Quand Tu Es La - Sylvie Vartan
https://www.youtube.com/watch?v=XF7FSrFP2qA
カルヴィンとルビーがドライブ
Nick Urata - Inseparable
https://www.youtube.com/watch?v=9WlQdCjJKcQ
カルヴィンなしでは生きていけなくなったルビー
監督:ジョナサン・デイトン
脚本: ゾーイ・カザン
主演:ポール・ダノ/ ゾーイ・カザン/ アネット・ベニング他
・小説家のカルヴィンは、若いながらもベストセラー作家であり、巷では『天才』とも言われていた。
最近ではスランプに苦しみ、見かねた兄から「恋人が出来ればきっと新たな作品が書けるよ」とアドバイスをされたが‥‥カルヴィンはコミュ障で根暗で、友達皆無だった。
自分に好意を持ってくれる女性は現れたことはあったが、彼女は自分の才能と印税に興味があるだけで、カルヴィン本人を好きなわけではなかった。
そういう事が何度か続いたあげく、<すっかり人間不信になってしまったカルヴィンは、現在は心療内科に通っている(可哀そうに)。
・ある日、精神科医はカウンセリングを兼ねてカルヴィンにこう提案する。「『あなたの飼い犬を可愛がる女性』の物語を書いてみなさい」
カルヴィンは気乗りしないまま、適当に1ページ書いて眠りについた。すると、その1ページの光景が夢のなかで忠実に再現されたのである。
夢の中の女性に好意を持ったカルヴィンは、女性を「ルビー・スパークス」と名付け、『カルヴィンの飼い犬とルビーの物語』を書き始めることにする。
・小説を書き始めてから、カルヴィンの周囲で奇妙なことが起こり始め、部屋に『女性の気配』がたびたび感じられるようになる。
ある朝、キッチンで朝食の支度をしているルビーの姿にカルヴィンは驚愕する。
心療内科に通ってはいるが、ついには幻覚まで見るようになってしまったのか──と落ち込むが、なんとルビーの姿は他の人にも見えていた。
ルビーは、カルヴィンが設定した通りの『姿・声・しぐさ』で語り掛け、カルヴィンは、彼女が『自分が具現化させた女性』と確信する。
兄はルビーを見るなり二人の恋を祝福するが、カルヴィンは彼女を『自分が造り出した偶像』だと説明する。
全く信じない兄に対し、カルヴィンはルビーの設定に『フランス語も話せる』と追加。物語内に「ルビーが流暢なフランス語で兄とカルヴィンに話しかける」と書き加えた。
すると、ルビーは流暢なフランス語で話しかけ‥‥兄もビックリ。
・ルビーの存在を気味悪がるカルヴィンに対して、兄は羨ましそうだった。「これってさぁ、設定のさせ方や物語の書き方次第で、自分を好きになってもらうことも出来るんだよな?」と、『理想の彼女』を造るよう提案(オイオイ💦)。
するとカルヴィンは大激怒。彼にとっては、夢の中で出会ったルビーが自分の中での最高の理想の女性であり、その女性が現実に出てきた。彼女に対し、これ以上望むものはない。それに、ルビーは操られるために自分の前に具現化されたのではないと断言したのだ。
その為物語は封印し、今の自分にとっての最高の彼女ルビーと共に過ごすことを決めたのである。
・カルヴィンはルビーを友達に紹介し、『俺の最高の彼女』と自慢しまくる。
ルビーは社会に出ることで自我が完全に確立し、見るもの触るもの全てを吸収し、純粋無垢なあくなき探求心で周りの人気者となっていく。
コミュ障で根暗なカルヴィンが、ルビーに話しかけてもらいたいと彼女に設定させた“社交的”な性格により、ルビーの行動範囲はドンドン広がり、いつしか『カルヴィンだけの彼女』から徐々に離れていきつつあったのだ。
カルヴィンは自分に戒めた禁を犯し、物語を取り出して‥‥つい、一言書き加えてしまう。
・月日が経つと、ルビーは更に行動範囲を広げ、絵画教室にも通い始め、そこで新たな友を持ち、いつしかカルヴィンと過ごす時間が無くなっていく。
カルヴィンが与えたルビーの初期設定『明るい・社交的・ポジティブ思考』のスペックが強すぎて、カルヴィン以外の男性らもルビーの事を好きになってしまい、ルビーもまんざらではない様子の為、カルヴィンは嫉妬してしまう。
ルビーを独り占めしたいカルヴィンは、ルビーの気持ちが離れそうになる度に、『ルビーはカルヴィンと一緒にいたくなる』『ルビーはカルヴィンと離れたくなくなる』『ルビーは‥‥』とドンドン書き加え、いつしかルビーを支配するようになる(ルビーを変える前に、なぜ自分の性格を変えようとしないんだ💥)。
・既に普通の女性と同じように生活しているルビーは、時折、自分の言動が自身の意に反している奇妙さに気づくようになってきた(ついにXデーがやってきたのだ!)。
最初のルビーの記憶は、カルヴィンの家のキッチンから始まっている。カルヴィンなら何か知っているかもしれないと、ルビーはカルヴィンに『自身の謎』について問いただすのだった──。
こんな女性がいたらいいな〜と脳裏に描いた女性が具現化される。果たしてそれは人間と言えるのか?
人間として、共に過ごすことはできるのか?
女性が自分の存在に気付いた時、生み出された女性は、自分を受け止めることはできるのか?
夢物語でありながら、コメディで、とても哲学的な話です。
カルヴィン目線でストーリーが進むため、女性がルビー目線で見てしまうと気の毒に思えてくるシーンがあるので注意が必要です。
挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)
Ca Plane Pour Moi - Plastic Bertrand
https://www.youtube.com/watch?v=xTo79sPCVXA
ゾンビ映画を観て盛り上がるカルヴィンとルビー。
Quand Tu Es La - Sylvie Vartan
https://www.youtube.com/watch?v=XF7FSrFP2qA
カルヴィンとルビーがドライブ
Nick Urata - Inseparable
https://www.youtube.com/watch?v=9WlQdCjJKcQ
カルヴィンなしでは生きていけなくなったルビー
| SF
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