ゼロ・グラビティ

2013年/米
監督:アルフォンソ・キュアロン
音楽:スティーヴン・プライス
主演:サンドラ・ブロック/ ジョージ・クルーニー他


地球から、上空600km。
そこは真空の宇宙。音を伝えるものも、気圧も、酸素も、重力もない死の世界。
医療技師ライアンは、自身が開発した医学用品がNASAに抜擢され、試作品を取り付ける為に宇宙でのミッションに参加することになった。
事前に訓練は受けたものの、実際に宇宙で船外活動をするとなれば思う通りにはいかず、NASA管制官から「心拍数が上昇している」と忠告を受けるものの、極度の緊張に晒されているので心拍数など下げれるはずもない。
・船外活動は1人で行っているわけではなく、男性のマットとシャリフもいた。
極度の緊張で周りが見えないライアンの為に、しょうもないジョークを飛ばしながら勝手にスベっていた。
・船外活動で手間取っているうちに、ヒューストンから連絡が入った。
ロシアが自国の人工衛星をミサイルで破壊したのである。
当初はライアン達の軌道上を通過しないとされていたが、衛星の破片が別の衛星に衝突した為に起動がずれ‥‥ものすごい速さで宇宙船に向かっているため、すぐさま作業を中止して船内に避難しろというのである。
・ヒューストンとの連絡も途絶え、3人は急いで避難するものの間に合わず、シャリフは飛んできた破片で頭部を負傷し、マットとライアンは宇宙空間に放り出されてしまう。
パニックに陥ったライアンは呼吸が荒くなり、酸素を著しく消耗。酸素残量は絶望的な10%を指していた。
・マットは、テザーと呼ばれる命綱をライアンに装着し確保。宇宙服についている噴射装置を利用して、なんとか宇宙船に戻ろうと試みる。
ヒューストンとの連絡は途絶えたものの、一縷の望みをかけて『一方通行』ではあるが、状況を必死に報告する。
90分後に、また破片の大群がやってくる可能性がある。
現在、自分たちは宇宙船から約900mの距離にいる。シャリフの遺体を回収し、急いで戻るようマットはライアンに伝えた。
宇宙船に戻ってみると、壊滅的な被害を受けており、船内の乗組員は全滅していた。
・マットは、ISSに行って、ソユーズに乗り込んで大気圏に突入する方法を考えているとヒューストンに連絡。
噴射装置を使いながらマットはISSを目指した。勿論、命綱で繋がっているライアンも一緒に付いてくる。
ライアンは放心状態のまま、ただただマットに引っ張られるだけ。マイナス思考に陥りがちのライアンを気遣いながら、故郷や子どものことを尋ねてみた。
すると‥‥ライアンには4歳の娘がいたが、幼稚園の鬼ごっこ中に頭部外傷によって亡くなってしまった。
元気づけるはずだったが、更にライアンを落ち込ませる形になってしまい、2人はなんとも気まずい雰囲気に──(;^_^A
ライアンの酸素残量が残り1%に迫り、ISSまでの距離は残り5分。噴射装置の燃料はギリギリ。
やっとの思いでISSに到着すると、ISSも大破しており、ソユーズの1機は離脱しており、残る1機もパラシュートが開いてしまっていた。
再び絶望的になる2人である。
しかし、更に悲劇は続いていく。

‥‥新人のライアンが、宇宙でたった独りきりになってしまうのである。

物語としては、とても単調に進んでいき、起伏は殆どない。
この作品の売りは4DXの作品であること。
宇宙空間の描写では、息をのむほどの『奥行き』が広がっている。
手の届かない絶望的な『遠さ』と、目のくらむ『宇宙の底』が映画館で観ると素晴らしかった。
命綱でクルクル回っているシーンは、“酔う”感じがありました。
映像以外では、ねじ回しの振動や宇宙船の焦げた匂い等が座席を通して伝わってくる。
不思議な作品でした。

Angels Are Hard to Find - Hank Williams Jr.
https://www.youtube.com/watch?v=zy75TkJci5c
ミッションに集中できず、ライアンが音楽を止めてくれと頼む
※マットが関わるシーンに度々登場



スペースカウボーイ

2000年/米
監督: クリント・イーストウッド
音楽:レニー・ニーハウス
主演:クリント・イーストウッド/トミー・リー・ジョーンズ/ドナルド・サザーランド 他


1958年。
アメリカ空軍所属の「チーム・ダイダロス」は、宇宙探索飛行で、日々の任務に励んでいた。
しかし、NASA発足をきっかけに任務は終了し、人間の代わりに猿を乗せて宇宙へと飛び立つことが決定した。
それから40年後。NASAは通信衛星アイコンが装置の故障により地球に落下しつるあることを知る。
通信衛星アイコンはアメリカの人工衛星と同一であることが判明。設計者チームは、NASA発足によって任務終了させられた「チーム・ダイダロス」に所属していたフランクだった。
NASA責任者ガーソンは、今さら頼むのも癪ではあるが、他に方法はない為、宇宙上でのアイコン修復を命じたのである。

フランクはNASAからの依頼を聞いて、当然だが怒りを覚えた。
解散を命じておきながら、こういう困ったことが起きた時だけ頼むなんて‥‥虫のいい話だ。
しかし、自分が断ったことで地球に落下したら‥‥と思うと、寝覚めが悪すぎるため、フランクは、ここは大人になって(笑)依頼を受けた。
依頼の条件は、元設計チームで宇宙に飛び立つこと。
皆が高齢で、地球脱出の強力Gでポックリ逝ってしまいそうな者もいるが(爆)、他に代案が無い為、NASAはOKを出さざるを得なかった。

フランクは、今は他の職業をしている元メンバーを探す旅を始め、チームを再結成させた。
NASAのサラは、再結成されたメンバーを見た瞬間、あまりの高齢ぶりにため息をついたが、仮にも当時は宇宙を駆けまわった『宇宙飛行士』であっる。
全員が身体検査をパスし、既に与えられた訓練に燃え始め、驚異的な身体能力を見せつけていた!

作戦決行日が決まり、訓練は最終段階に入り、地球帰還時の着陸シミュレーションも行われ始め、ブランクを感じさせることなく成功させ、サポート役として任務に参加する若手の宇宙飛行士たちも、“スーパー高齢者”に圧倒されてしまう。
NASAのサラは、高齢者とは思えない働きぶりに心を奪われ、やがて、その中の一人と恋愛関係へ──。
『驚異の肉体を持つ高齢宇宙飛行士』の存在は世間に高く公表され、多くの注目の的となってき、ヒーローとまでもてはやされていくようになる。

そんな中、身体の精密検査の結果、ホークが余命間近のすい臓がんに侵されていることが判明した。
ガーソンは、ホークを除外した3人で宇宙に飛びつことを決め、ホークはショックを受ける。
自覚がありながら、今の段階まで隠していたホークは確かに悪い(精密検査に引っ掛からなければ、多分最後まで言わなかったと思う)。しかし、夢に向かって過酷な訓練を受けていたホークを見ていた同僚らは、ホークを除外することに難色を示した。
フランクは、あくまでも「チーム・ダイダロス」の復活に伴い、4人で行くことに拘り、NASAのサラも、最初は高齢者だとバカにしていたが、4人が一生懸命さをこの目で見ていたのと、夢を追い続ける無垢な姿に心を奪われたのもあって、ホークを説得する。
そしてガーソンは‥‥皆の熱意に心を打たれ、ホークを加えた4人で宇宙に行くことを認めたのである。

宇宙へと旅立つ日がやってきた。
アメリカ全国民が注目するなか、「チーム・ダイダロス」と、若い宇宙飛行士を乗せたスペースシャトルは、轟音と共に宇宙へと飛び立っていった。
シャトルはロシアの人工衛星アイコンを捉え、さぁ回収──となった時、今まで何も知らされていなかった‥‥NASAは、実は知っていて、隠していたことがあった。

その人工衛星には‥‥とんでもない機能が備わっていたのである。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

FLY ME TO THE MOON (In Other Words) - WrFrank Sinatra with Count Basie and His Orchestra (as Count Basie And His Orchestra)
https://www.youtube.com/watch?v=82Qwtx-ATZI
あそこへ行くんだと、口ずさむパイロット&ラスト

SPACE COWBOY (YIPEE-YI-YAY) - *NSYNC featuring Lisa 'Left Eye' Lopes
https://www.youtube.com/watch?v=gd-F_CD41GM
NASAに来た一行

THE CHAIN OF LOVE - Clay Walker
https://www.youtube.com/watch?v=02ptX5h1ZL4
賭けに勝った筈なのに、なぜかお金を支払う羽目になったホーク(店内BGM)



スタンド・バイ・ミー

1986年/米
監督:ロブ・ライナー
脚本:ブルース・A・エヴァンス
主演:ウィル・ウィートン/リヴァー・フェニックス/コリー・フェルドマン 他


作家として活動していたゴーディは、ある日、「弁護士クリストファー・チェンパーズ・刺殺」という新聞記事を発見した。
クリストファーは、彼の親友であった。
子供の頃から日が暮れるまで友人と遊び、木の上に建てた小屋に集まっては、大人のふりをしてタバコを吸ったり、下ネタの話をしたり‥‥要は、悪いと思われる行為をしていた。
いつも笑顔が絶えない仲間ではあったが、それぞれが家庭環境に問題を抱えていて、自分の家庭環境を暴露できる仲も相まってか、4人の親友の関係は確固たるものになっていった。
ある日、4人が『やりがいのある冒険』をしたいと思っていたところ、『行方不明の少年が、森の奥で電車に撥ねられて死体は片づけられないままらしい』という情報を伝え聞く。
死体を発見するのは怖いものの、やりがいのある冒険であり、なおかつ英雄になれるかもしれないと思った4人は、死体を探しに行くことにする。

4人は鉄道の線路沿いを歩きながら、胸躍る夏の冒険の旅を開始することに。
しかし沿線を歩くのは危険で、電車と接触して一歩間違えれば自分が死体になるかもしれなかったり、沼地でヒルに襲われたり‥‥。
しかし、誰一人として引き返したり、「もうやめよう」とギブアップをすることはない。
ワクワク感が勝っているのだから。12歳の多感な少年たちにとって『死体探し』の冒険は、興味半分“度胸試し”半分と言ったところだ(日本でいう、肝試しかな?)
野宿もまた楽しい(横に死体があるかもしれないんだよ。よく眠れるな)。
リーダー格のクリスは皆を励まし、それぞれの家庭の事情で心が凹んだ仲間達──特に両親に疎まれているゴーディは、クリスの存在が大きいものになっていくのである。

翌日、とうとう4人は死体を見つけるのであった(おめでとうというべきか?)
すると、それを不良グループが現れて、死体を横取りしようとして‥‥(死体なんて欲しいか?)

原作は、ホラー映画の巨匠といわれる「スティーブン・キング」の短編小説「恐怖の四季-秋-」。
映画の見せ方で、ホラー作品も『冒険物語』に変貌してしまう。
因みに、アカデミー脚色賞にノミネートされているが、『脚色』という可愛いレベルではない(汗)。


挿入歌(紹介文については、歌が流れていた『場面』を指します)

Rockin' Robin - Bobby Day
https://www.youtube.com/watch?v=LklFP1IG9KY
ラジオから流れる曲

Great Balls of Fire - Jerry Lee Lewis
https://www.youtube.com/watch?v=ZD8YPY8RBQc
チャーリー達の車内でかかっている曲

The Ballad of Paladin
https://www.youtube.com/watch?v=tgvxu8QY01s
線路を歩きながら、4人が歌った曲

Lollipop - The Chordettes
https://www.youtube.com/watch?v=A0kd-w7Xwd8
ラジオから流れる曲

Book of Love - The Monotones
https://www.youtube.com/watch?v=-xDwq8NM9G4
刺青を掘っているチャーリーら

Everyday - by Buddy Holly
https://www.youtube.com/watch?v=x4KN5j5X9ig
線路を歩く4人

Come Go with Me - The Del Vikings
https://www.youtube.com/watch?v=P1eU_lDQaVM
とんだ肝試しだったと笑う4人

Yakety Yak - The Coasters
https://www.youtube.com/watch?v=-WfDYssJMqs
車でチキンレースをするチャーリー達

Stand By Me - Ben E. King
https://www.youtube.com/watch?v=BTCfQ6Bb8QE
ED